絶大な人気を誇る『Shantae (シャンティ)』シリーズを紹介したい。北米のWayForward社が制作しているゲームで、これまでに全5作品が発売されている (2020年5月 現在)
で、どういうゲームなのか簡単に説明すると、可愛くておっぱいボインな女の子キャラがいっぱい登場するゲームである。洋ゲーらしからぬ、日本アニメ風のキャラクターが大活躍するのだ。なるほど。つまり最高ってことだな。
キャラクターの魅力は勿論、アクションゲームとしての完成度も高い。
横スクロール型アクションADVで、シリーズを通して丁度イイ難易度。キャラクターの可愛さや軽快なBGMも相まって、ストレス無く楽しく遊べるのだ。手堅くも遊びやすい良作ACTゲームと言えるだろう。
今回の記事では、そんな魅力溢れる『シャンティ』シリーズの概要、各タイトルの詳細などを紹介したい。Ret-2-Go!
『シャンティ』ってどんなゲーム?
日本アニメ風の可愛らしいキャラクター
記事冒頭で述べたとおり『シャンティ』シリーズは、キャラクターの可愛らしさに定評がある。
日本アニメ風のデザイン、所謂 "萌え" テイストの可愛い女の子がいっぱい登場するのだ。いいね。やたら肌の露出が多いし。
シリーズの生みの親とも言える Matt Bozonをはじめ、開発スタッフが日本のサブカルチャーに強い影響を受けているため、このようなデザインが敷かれているのだ。
元気な女の子が主人公なのも、『風の谷のナウシカ』『ふしぎの海のナディア』などのアニメ作品をリスペクトした結果…らしい。
――WayFoward社のオリジナル作であるシャンティやマイティ(『マイティスイッチフォース』などのシリーズ作を展開)のキャラクターには、日本のアニメやゲームのテイストがとても感じられます。その理由はあるのでしょうか?
マット:日本アニメの影響を多く受けているんですよ。『らんま1/2』、『トランスフォーマー』、スタジオ・ジブリのアニメ作品などが好きで、これらの日本の作品、日本初のカルチャーを体験して育っていますからね。
でも、小さなころはこれらが日本のモノであることを知らずに楽しんでいました。日本の作品だと教えてくれたのはアニメーションを学んでいた大学の先生からだったんですよ。
引用:『シャンティ -海賊の呪い-』開発者マット・ボゾン氏インタビュー 日本上陸間近の日本人が作るより日本らしいゲーム!?【TGS2015】 - ファミ通.com
Matt氏はアニメーター養成に力を入れている、カリフォルニア芸術大学の出身。幼少期から日本のアニメ・ゲーム文化に慣れ親しんできた彼は、アニメーション技術を活かしたゲーム制作を夢見て、他の卒業生たちと共同でゲーム会社「WayForward」を立ち上げたのだ。
こうした背景があるためか、WayForward社のゲーム作品は "アニメ的作風" を何より重要視している。ポップで可愛らしいキャラクター、滑らかに動くグラフィックが最大の売りなのだ。
看板タイトルの『シャンティ』シリーズも例外ではない。日本のサブカルを愛好する開発陣のセンスが、遺憾なく発揮されている。
また、コレは個人の趣向ではあるが…モンスター娘・人外キャラが豊富な点も『シャンティ』シリーズの魅力の1つだと考える。
ゾンビ娘、ハーピー、ラミア、スライム娘…などなど。敵味方問わず様々な人外キャラが登場して、しかも全員がメチャ可愛いのだ。モンスター娘・人外キャラ好きには、間違いなくブッ刺さるタイプのゲームだろう。オタクを全力で殺しにかかっている。
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変身を使った探索型アクション
『シャンティ』シリーズは、基本的には探索型2Dアクション…「メトロイドヴァニア」系のゲームになる。広大なステージを練り歩き、多彩なアクションを使いこなして、探索範囲を広げていくのだ*1。
Matt Bozon氏:
プラットフォームは異なりますが,シリーズで一貫しているのは「プラットフォーム型のアクションアドベンチャー」であるということです。
主人公の「シャンティ」はベリーダンスを踊ることで,精霊を呼び出したり,魔法の力を使えたりでき,その力を駆使して障害を乗り越えていきます。
ボスを倒すと探索可能なフィールドが広がっていくので,「ゼルダの伝説」や「メトロイド」に近いイメージだと思っていただければ,お分かりいただけるでしょう。
引用:[TGS 2015]待望の日本語版発売が決定した「シャンティ -海賊の呪い-」の開発者 マット・ボゾン氏にインタビュー - 4Gamer.net
主人公「シャンティ」は、魔人 (ジーニー) の母親を持つ "ハーフジーニー" の女の子。
長いポニーテールを鞭のように振るうウィップ攻撃と、母親譲りの魔法を得意とする個性的なキャラクターだ。ゲームを進めるにつれて、使えるアクションが段階的に増えていく。
中でも重要なのが「変身」を使ったアクション。
シャンティは魔法のベリーダンスを踊ることで、様々な動物・モンスターに変身できる。フォームチェンジを駆使して、ダンジョンの謎を解き、障害物を乗り越えていくのだ。この辺は『ワリオランド』っぽい。
『ロックマン』『悪魔城ドラキュラ』『ゼルダの伝説』など、往年の和製アクションゲームの影響が垣間見られるのも、シリーズの特徴と言える。
ゲーム難易度も程よい感じで、海外製のゲームだが、日本のゲームと全く同じ感覚でプレイ可能。洋ゲーに抵抗がある人でも、気軽に楽しく遊べるハズだ。
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アラビアンで軽快なゲームBGM
ゲームの世界観とマッチした、アラビアンテイストな楽曲も『シャンティ』シリーズの魅力の1つ。思わず口ずさみたくなるような、ポップでメロディアスなBGMの数々が、ゲームプレイを盛り上げてくれる。
シリーズの楽曲は、サウンドコンポーザーの Jake Kaufman 氏が担当。濃密でインパクトのある音作りに定評があるクリエイターで、『ショベルナイト』や『魂斗羅 Dual Spirits』などのゲームBGMも手掛けている*2。以下のIGN特集記事も参照して欲しい。
ひとまず、シリーズでもお馴染みのBGM「Burning Town」を聴いてみて欲しい。悪党の襲撃を受け炎上する街を横目に、シャンティが爽やかに駆け抜ける時のステージBGMだ。
ディズニー映画『アラジン』を彷彿とさせる中東風のメロディーライン、疾走感溢れるハイテンポな曲調で、耳に残る印象的な楽曲に仕上がっている。音楽に詳しくない自分も、聴きごたえがあって良い曲だと思った。
『シャンティ』シリーズに限らず、Jake氏の手掛けたBGMは良曲揃いなので超オススメ。Bandcampで楽曲を試聴できるので、是非聴いてみて欲しい。アルバムのダウンロード購入も可能だ。
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『シャンティ』シリーズを一挙紹介
『Shantae (シャンティ・日本未発売)』
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
探索 | ★★★★★ |
グラフィック | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード |
・GBC (海外版) |
『シャンティ』シリーズの歴史は意外と長い。
第1作目『Shantae』は、2002年にゲームボーイカラー (GBC) 用ソフトとして販売された。北米のみの発売で、残念ながら日本では未発売。販売元はカプコンUSA。
ゲームの構想は1994年頃からあり、当初は PC や SNES (海外のスーファミ) 向けに開発が進められていた。だが途中から、開発体制・制作コストなどの兼ね合いで、プラットフォームをGBCに変更したという。かなりの難産。
シリーズ第1作目ということもあり、ストーリー内容は超シンプル。
シークインランドの平和を守るため、女海賊のリスキィ・ブーツに奪われた「蒸気機関」を取り戻す!というお話。会話はすべて英語で繰り広げられる。日本語版は無い。
『Shantae』発売当時は、次世代携帯ハード「ゲームボーイアドバンス (GBA)」が発表され、一世を風靡したゲームボーイの時代が終わろうとしていた、まさに "過渡期" だった。しかし…このゲームのクオリティは、同期のGBAソフトに勝るとも劣らない。
まず、本作はグラフィックの描画・表現力が抜群にスゴイ。
ドット絵で描かれたキャラクター達が、ゲームボーイとは思えないほどにヌルヌル動くのだ。コミカルで可愛らしいアニメ風グラフィックは、見ていて惚れ惚れする完成度。
特に主人公のシャンティは、ズバ抜けて可愛い。アニメーションのパターンが非常に豊富で、ボタンを押すたびに、華麗な動きを見せてくれる。
ステージ背景なども緻密に描かれていて見ごたえバツグン。シチュエーションに応じて画面の色調が動的に変化するなど、演出面でのコダワリも光る。ゲームボーイカラーの描画性能を最大限に活用していてスゴイ。
アクションゲームとしての完成度も高い。広大なステージを探索して、新能力を獲得して行動範囲を広げる…といった「メトロイドヴァニア」系のシステムが採用されている。昔のゲームながら、探索のボリュームも結構ある。
『ゼルダの伝説』のように「ダンジョン」を探索する場面も。ブロックの絵柄を合わせたり、磁石のような性質で物体を引き寄せたりと、なかなか凝った謎解きが用意されている。
各地のダンジョンに幽閉された精霊 (?) を救出すれば「ベリーダンス」を習得可能。リズムに合わせてコマンド入力すると、シャンティがダンスを踊り、様々な動物・モンスターに大変身。変身アクションを駆使して、行動範囲を広げていくのだ。
道中にある「街」に入ると、道行く人々に話しかけたり、建物に立ち寄ったりできる。通常の2Dアクションから、RPG風の画面構成にシームレスに繋がる演出も面白い。
アイテムを購入できる「ショップ」や、ミニゲームが遊べる施設などもあり、ゲームを単調にしない工夫が散りばめられている。
ただ、キュートな見た目に反して、ゲーム難易度はやや高め。
敵の攻撃が激しく、即死トラップも多いため、マジで頻繁にゲームオーバーになるのだ。セーブポイントが少ない、マップが無いために迷いやすいなど、レトロゲーム特有の不親切さも。遊んでて楽しいので、そこまで苦ではないが。
そして、このゲーム最大のネックは…入手難易度がメチャクチャ高いことだ。
流通量が少なく、当時品のGBCソフトにプレミア価格が付いていて、中古ソフトでも数万円単位で取引されている。たっか!!買えねぇよ!
一応、3DSバーチャルコンソールで復刻版『Shantae』が配信済みなのだが…海外限定となり日本では未配信。3DSにはリージョンロックがあるため、プレイしたい場合には、海外版3DS本体ごと購入する必要がある。コチラもハードルが高い!
おそらく翻訳版ロムが存在しないため、日本では配信予定が無いのだろう。しかし、最近は日本でもシリーズ人気が高まりつつあるし、確実に需要はあるハズ。日本国内でも、お手軽に復刻版『Shantae』を遊べるようにして欲しい(切実)
ちなみに…ネット通販サイトでは『Shantae』の海賊版ソフトも確認されている。
クリア (透明) なカートリッジのオリジナル版に対して、海賊版ソフトは赤色 (もしくは灰色) のカートリッジとなっている。ラベルのデザインとかも違う。
ゲーム内容はオリジナル版とほぼ同じだが…無許諾で販売されている複製品で、重大なバグも確認されている。高額で転売されている場合もあるので、間違って購入しないよう注意して欲しい(1敗)
ビッグニュース。復刻版『Shantae』の販売が決定した。ゲームボーイカラーの復刻版カートリッジ、Switch移植版ソフトの2種類が購入できる。初代『Shantae』を遊べる、またとない絶好のチャンスだ。
例によって海外限定リリースになるが…これまでとは違い、日本国内でもソフトの購入・プレイが可能だ。詳細を別記事にまとめたので、確認して欲しい。
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『Shantae: Risky's Revenge (リスキィ・ブーツの逆襲)』
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
探索 | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード |
・DSiウェア (海外版) |
2010年に発売された『シャンティ』シリーズ 第2弾。
先に紹介した『Shantae』の続編になり、当初はニンテンドーDSiウェアとして配信された。他のハードにも順次移植されている。
第1作目『Shantae』から長い期間を空けての続編になるが…コレには理由がある。
実は『Shantae』発売後すぐ、WayForward社はGBA向けに『Shantae Advance (仮)』を制作していたのだが…販売元の都合で未発売のまま終わってしまったのだ。
その後、2008年頃にDSiウェアの配信サービスが開始したことを受け「コレなら自社で直接ゲームを制作・販売できる!」と判断。お蔵入りとなったGBA版のシステムを流用して、ついに『Risky's Revenge』が完成したのである。
※上の動画は、デモ版『Shantae Advance』のプレイ映像。『Shantae』をGBA向けに進化させた、イイ感じのゲームだったことが見て取れる。IGNの特集記事によれば、対戦モードとかも用意されていたらしい。発売されなかったのが残念。
…そんな感じで紆余曲折を経て発売された『Risky's Revenge』だが、第1作『Shantae』に負けない上々のクオリティに仕上がっている。
まず目を引くのが、前作に負けず劣らずの美麗なグラフィック表現。
高解像度&フルカラーのドット絵で、各オブジェクトが恐ろしく緻密に描かれている。アニメ―ション枚数が多く、キャラクター達が滑らかに動くので、ドット絵好きにはたまらない。
ストーリーは前作の続きで、リスキィ・ブーツに盗まれた魔法のランプを取り返すため、シャンティが冒険の旅に出る!という王道的展開。本作から会話シーンにキャラクターの立ち絵が追加され、キャラゲー色がだいぶ濃くなった。
基本的なゲームシステムは、前作『Shantae』を踏襲。変身を駆使してダンジョンの謎を解き、行動範囲を広げていく。オーソドックスな探索型2Dアクション。
シャンティの変身は、前作の「サル」「ゾウ」に加えて、水中を縦横無尽に移動できる「マーメイド」が追加された。
変身のバリエーションは全3種類と少なめだが、固有の攻撃技が使えるようになり、アクション性がグッと強化されている。
前作『Shantae』の問題点が改善され、良好なゲームバランスになっている点も見逃せない。落とし穴・トゲなどの即死要素が廃されたり、魔法の使い勝手が良くなったり。後発シリーズ作品のテンプレにもなっている。
総評としては、第1作目『Shantae』を正統進化させた良作ゲームといったところ。
若干ボリューム不足な感じはするが、DSiウェアで発売されたことを考慮すれば、妥当なゲーム内容と言える。…GBAで出なかったのが残念でならない。
様々なゲームハードでプレイ可能で、現在でも比較的入手しやすい。全テキストが日本語翻訳された Wii U版/PS4版も発売されているので、気になる人は遊んでみよう。翻訳の質が若干怪しいけど。
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『Shantae and the Pirate's Curse (海賊の呪い)』
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
探索 | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード | ・ニンテンドー3DS ・Wii U ・Nintendo Switch ・PlayStation 4 ・XBoxOne ・Steam (英語のみ) |
2014年に発売された『シャンティ』シリーズ第3作目。ニンテンドー3DS専用ソフトとして開発・販売され、他のハードにも移植されている。
日本では『シャンティ -海賊の呪い-』というタイトルで発売され、シリーズで初めて日本語翻訳・ローカライズが実現。この『The Pirate's Curse』以降、日本国内でも積極的にシリーズ展開がなされるようになった。自分が初めて遊んだシャンティもコレ。
日本人のイラストレーター、KOU (矢部誠) 氏がイラストの作画を担当したことも注目を集めた。過去に『ロックマン ゼクス』などを手掛けたKOU氏の手腕により『シャンティ』の絵柄がさらに洗練され、我々日本人にも親しみやすい雰囲気になっている。
インサイドの特集記事などによれば、『シャンティ』新作のアーティストを探していたMatt Bozon氏が、KOU氏の手掛けたファンアートを見て「これだ!」と感じ、起用に至ったらしい。多分コレだと思う。メッチャ上手い。
『The Pirate's Curse』は、シリーズ随一と言えるほどの異色作。
明るい雰囲気の『シャンティ』では珍しく、ダークでシリアスな物語が展開されるのだ。それに合わせて、ゲームの世界観も少し暗い感じに。程よくギャグ展開はあるけど。
ストーリー内容は、シャンティとリスキィ・ブーツが一時的に手を組み、封印された「パイレーツマスター (海賊王)」の復活を阻止する!といった話。宿敵リスキィと行動を共にできるのは、他作品には無い斬新な要素。
また、シャンティは前作『Risky's Revenge』のラストで魔力を失い、ただの人間になってしまった。
その続編にあたる本作では、お馴染みのベリーダンス&変身能力が使えない。マリオがジャンプできなくなったり、ソニックがダッシュ不能になるような大事件だ。
なので本作では…海賊の武器 (パイレーツギア) を集めて、シャンティの能力を強化していく。変身の代わりに、武器を使ったアクションで探索・謎解きを行う。
遠くのモノを狙撃できる「ピストル」や、地上を高速で駆け抜ける「ブーツ」など、従来作とはひと味違ったアクションが楽しめる。ダークな世界観も相まって、より『メトロイド』『悪魔城ドラキュラ』に近いゲーム性に。
本作では「ステージ選択制」を採用。地続きのマップを行き来していた従来作とは異なり、リスキィの海賊船に乗って、目的の島 (ステージ) へと移動。ストーリー進行に合わせて新しい目的地が解禁され、様々な島を冒険することになる。
探索重視のマップ構造で、迷路のようなダンジョンがあったり、一度訪れた島にまた戻る必要があったりと、一筋縄ではいかない。典型的な「メトロイドヴァニア」系アクションに仕上がっている。
難易度は中の上くらいだが、前作『Risky's Revenge』から操作性が改善され、アイテムを使ってゴリ押しすれば、割と余裕でクリアできる親切設計になっている。
豊富な収集要素・クリア報酬が用意されていて末永く遊べる、コスパ面でも優秀なタイトルだ。興味を持った人は、是非遊んでみて欲しい。
『The Pirate's Curse』は様々なハードでプレイ可能だが、個人的には Switch版が一番オススメ。適正価格でお財布に優しく、日本語翻訳がちゃんとしてるからだ。
参考までに以下の Switch/3DS 比較画像をご覧いただきたい。Switch版の方が、かなり自然な文章になっているのが分かるだろう。
一応、3DS版は立体視機能でキャラクターのおっぱいが飛び出すというメリット (?) があるのだが、それを考慮しても翻訳のヒドさは擁護しきれない。よほどの理由がない限り、他のバージョンを検討した方がイイと思う。
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『Shantae: Half-Genie Hero (ハーフ・ジーニー ヒーロー)』
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
探索 | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード | ・Nintndo Switch ・WiiU ・PlayStation 4 ・PlayStation Vita ・XBoxOne ・Steam など |
クラウドファンディングで、開発資金を募って制作された『シャンティ』シリーズ第4作。日本語版ソフトも販売された。
ちなみに、約22000人のファンが支援を行い、当初の目標額をはるかに越え、最終的な資金総額は約95万ドルに達したらしい。すんげぇ金額。人気の高さがうかがえますな。
『Half-Genie Hero』は、初めて『シャンティ』を遊ぶ人に超オススメな作品だ。
ストーリは至極シンプル。操作性も良好で非常に遊びやすい。シリーズのリブートを目指した作風で、過去作の良い部分を盛り込みつつ、様々な改良が施されている。
まず本作では、これまでドット絵で描かれていたグラフィックを一新して、シリーズ初のHDグラフィックを採用。
2Dアニメ風のキャラクターを、3Dモデルで構成された立体感のあるステージ上で操作。現代風でありながら、どこか懐かしさも覚えるゲーム仕様だ。
本作では「ステージクリア制」を導入。『スーパーマリオ』などでお馴染みの、固定長のステージを順繰りにクリアしていく形式で、迷わずサクサク遊べるようデザインされている。
各ステージでは独立した悪役が登場。悪の企みを阻止するため、ストーリー進行に沿って様々なステージを冒険することになる。ゲーム難易度も丁度イイ塩梅で、気軽にサクッと遊べるのが嬉しい。
ステージクリア型のゲームだが、従来の探索要素も健在。
各ステージにはアイテムが隠されていて、一度クリアしただけでは、その全てを回収できない。同じステージを何度も周回して、アイテムを探し出す楽しみがある。
さらに本作では、シリーズ恒例のベリーダンス&変身が復活。変身を駆使してステージを攻略していく、原点回帰的なゲーム性に。
過去作に登場した「サル」「ハーピー」などの変身に加え、「ネズミ」「コウモリ」などの新しい変身も多数 追加されている。
フォームチェンジの種類は過去最多で、全16種類の変身が使用可能。超便利な変身がある一方、ピーキー過ぎる性能の変身があったりと、バリエーションに富んでいて面白い。
クリア後には、基本ダンスが最初から使える「ヒーローモード」や、高難易度の「ハードコアモード」などが解禁される。やり込み要素が豊富で、コスパ最強のゲームと言えるだろう。
さらに本作は、DLCで追加のゲームモードも用意されている。
操作キャラ・アクション・敵の配置が変化、全然違ったゲーム性が楽しめる。本編以上にシビアで難しいモードもあり、プレイヤーを飽きさせない。
『Half-Genie Hero』は様々なハードでプレイ可能だが、個人的にはDLCが全部入った「アルティメット・エディション」がベストだと考える。多少値は張るものの、ボリューム満点でお得感が強い。
また、Switch/PS4版は日本語翻訳が自然なので、特にコダワリが無ければコチラのプレイを推奨する。他のバージョンは原文寄りだが、日本語がちょっと怪しい。好みで選んで欲しい。
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『Shantae and the Seven Sirens (7人のセイレーン)』
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
探索 | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード |
・Apple Arcade |
2019年3月末に『Shantae 5』として発表された、ファン待望のシリーズ最新作。日本語版ソフトも発売中だ。
『キルラキル』『プロメア』などを手掛けたアニメーション会社「TRIGGER」がオープニング映像を担当したことも、ネット上で話題を呼んだ。シャンティ達がめまぐるしく動き回る、見ごたえある映像は必見である。超カワイイ。
オープニング映像は勿論だが、本作ではストーリー演出の一環として、アニメ風カットシーンが積極的に導入されている。全編フルボイスで、『シャンティ』がアニメ化したらこんな感じなんだろうなぁ…と思わせるクオリティ*3。
ストーリーに関しては、かなり外伝的な傾向が強い。
シャンティ達はバケーションを楽しむため、いつものシークインランドを離れて、南国の島を訪れる。その島では丁度、ジーニーに対する感謝祭が開催予定で、この祭典に出演するためにハーフジーニー達が集まっていたのだ。旅行で居合わせていたシャンティも、この祭典に飛び入り参加することに。
だが、仲間のハーフジーニー達が全員、祭典のリハーサル中に忽然と姿を消してしまう。シャンティは神隠しにあった仲間を探し出すため、旅先の島で冒険を繰り広げることになる。
『The Seven Sirens』は、シリーズ第1作『Shantae』を意識した、本格的な探索アクションゲームだ。
冒険の舞台となる南国の島には、迷路のように複雑に入り組んだ地下世界が存在。『スーパーメトロイド』に匹敵する広大なマップを、手探りで探索することになる。
『メトロイド』のような探索性で、じっくりと時間をかけ、ステージ全体を練り歩く必要があるのだ。気軽に遊べた前作『Half-Genie Hero』とは対照的で、好みが分かれるポイントかも。自分はこっちの方が好き。
南の島が舞台なので、本作のシャンティは、トロピカルな水棲生物に変身する。
専用アイテムを取得することで、壁を這って移動できる「イモリ」や、障害物を破壊して進む「ウミガメ」など、全4種類の変身が使えるように。歴代のフォームチェンジとは一味違う。
これまでのシリーズ作品では、変身する時に毎回ダンスを踊る必要があった。だが本作では、その辺がオミットされ、ボタン1つで変身できる派生アクション扱いとなっている。
あの独特のベリーダンスが見られないのは、ちょっと寂しい気もするが…ダンスを介さずスムーズに変身できるので、操作性が抜群に良い。ボス戦でも反射的にサッと使えるので、積極的に変身を活用できる。
仲間のハーフジーニーを救出すると、直伝の「マジカルダンス」が習得できる。
見えない物体を透視する「スキャンダンス」や、放電で敵を攻撃できる「エレキダンス」など、画面全体に作用する特殊なダンスだ。どれも強力な効果を持ち、攻撃用途だけでなく、謎解きに活用する場面も。
新システム「モンスターカード」にも注目したい。敵を倒したり、交換するなどの手段で入手できるカードだ。
攻撃力アップ、移動速度アップなど、カードには様々な効果があり、装備することでシャンティの能力を強化可能。『暁月の円舞曲』のソウルシステムを思い出す。
だが、強力な効果を持つレアカードほど入手が難しく、最大3枚までしか装備できない。どのカードを優先取得・装備するのか、プレイヤーの手腕が試される。RTA界隈が熱くなるな。
あまり日本では話題になっていないが、『The Seven Sirens』は Appleのゲーム配信サービス「Apple Arcade」で絶賛配信中。ゲーム全編をプレイ可能で、テキストの日本語翻訳も行われている。
Apple Arcadeは月額600円のサブスクリプション型サービスだが、1ヶ月間の無料トライアル期間が用意されている。つまり…『シャンティ』新作を無料で試遊することも可能だ。Appleユーザーは遊んで損は無い。Steam版 / Xbox One版も発売中である。
2020年10月29日には Switch版 / PS4版が発売。気になる価格は3000~5000円程度。結構イイお値段だが、日本語翻訳が見直され、様々な新要素 (ムービー演出など) も追加されているので、購入価値は十分にある。
自分は『Seven Sirens』を iPhoneでプレイしたのだが…動きの激しいアクションゲームをスマホで遊ぶのは、結構キツかった。日本語翻訳も多少難があったので、遊びやすさを重視する人には、手慣れたゲームハードでのプレイを推奨したい。
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最後に
以上、個人の主観マシマシな『シャンティ』シリーズ紹介記事でした。
どのタイトルも面白い良作ゲームなので、遊んでみて損は無い。マルチハードでプレイ環境を選ばないのもグッド。超オススメです(布教)
だが例外的に、第1作『Shantae』だけは入手難易度がメチャクチャ高い。遊びたくても遊べない!という日本人ファンは多いハズ。
シリーズ開発者のMatt氏も、こうした需要の高まりは認識しているようで、初代『Shantae』を日本向けに配信したい!と考えているらしい。是非お願いします…
――最初の方で少し話題が出ましたが、ゲームボーイカラー版の初代『シャンティ』を日本でも何かの形で遊べるようにする計画などはありますでしょうか?(筆注:海外では3DSバーチャルコンソールにて再販されている)
Matt:残念ながら、今のところは予定はないですね。リメイクも検討はしたのですが、1からのコーディングという形になってしまうので時間も掛かってしまい、難しいところです。ですが、本当に日本でリリースしたい気持ちです。可能であればニンテンドースイッチのバーチャルコンソールで出せたら、とも思います。頑張ります。
引用:【TGS2017】美少女ACT『シャンティ』シリーズ生みの親Bozon夫妻に直撃!―「日本のファンの声をもっと聞きたい」- Game*Spark
また、Matt氏は別の会見の際に、次のような意味深なコメントも残している。シリーズ第4作目『Half-Genie Hero』発表時のインタビュー記事だ。
4Gamer:
今後のシャンティシリーズについて,どのような展開を考えていますか。
Matt Bozon氏:
やりたいことはたくさんあります。「ハーフ・ジーニー ヒーロー」はアーケード寄りのアクションゲームになったので,次は冒険や探索の要素を全面に押し出したいと思っていますし,3Dグラフィックス表現で第1作(2002年に発売されたゲームボーイカラー版)をリメイクするもいいですね。
引用:「シャンティ:ハーフ・ジーニー ヒーロー」完全版の国内発売が決定。クリエイター マット・ボゾン氏にインタビュー - 4Gamer.net
Matt氏が言及している「冒険や探索の要素を全面に押し出した」タイトルは、シリーズ最新作『The Seven Sirens』とみて相違ない。…となると、次回作は初代『Shantae』のリメイク作品ではないだろうか?
自分の勝手な予想だが、Matt氏の熱意・実行力の高さを鑑れば、大いにありえる話だ。歴代『シャンティ』シリーズを遊びながら、淡い期待を寄せつつ待ち続けたい。