絶大な人気を誇る『Shantae (シャンティ)』シリーズを紹介したい。北米のWayForward社が開発。これまでに全5作品が発売されている (2023年7月 現在)
どういうゲームなのか。簡単に説明すると…可愛くてボインな女の子がいっぱい登場するゲームである。洋ゲーらしからぬ日本アニメ風のキャラ大活躍!
キャラクターの魅力は勿論、アクションゲームとしての完成度も高い。
横スクロール型アクションADVで、シリーズを通して丁度イイ難易度。キャラクターの可愛さ・軽快なBGMも相まって楽しく遊べる。手堅くも遊びやすい良作ACTゲームと言えるだろう。
今回の記事では、そんな魅力溢れる『シャンティ』シリーズの概要、各タイトルの詳細などを紹介したい。Ret-2-Go!
忙しい人向けオススメ作品
この紹介記事は長い。『シャンティ』の魅力を連綿と書き連ねていたら、最終的に15,000文字の長文になってしまった。長いッ!
なので、先んじて忙しい人向けオススメ2作品を紹介しておく。
シャンティ:ハーフ・ジーニー ヒーロー
まず真っ先にオススメしたいのは、第4作『Shantae: Half-Genie Hero』だ。迷ったらこれを遊べば間違いない。
ステージクリア型の2Dアクションで難易度も丁度良い。追加コンテンツが豊富で無限に遊べる。万人が楽しめる超良作ゲームだ。Switch/PS4/Steam等でプレイ可能。
シャンティと七人のセイレーン
シリーズ第5作『Shantae and the Seven Sirens』も個人的にオススメ。
こちらは由緒正しき2D探索型アクション。『メトロイド』を彷彿とさせる探索性で、広大なステージを練り歩くのが超楽しい。こちらもSwitch/PS4/Steam等で遊べる。
もし自分の長ったらしい紹介にお付き合いいただけるなら、続きを読み進めて欲しい…!
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『シャンティ』ってどんなゲーム?
日本アニメ風の可愛らしいキャラクター
記事冒頭で述べたとおり『シャンティ』シリーズは、キャラクターの可愛さに定評がある。日本アニメ風デザイン。所謂 "萌え" テイストの可愛い女の子がいっぱい登場する。
シリーズの生みの親とも言える Matt Bozonをはじめ、開発スタッフが日本のサブカルチャーに影響を受けているので、このようなデザインが敷かれているのだ。
主人公が活発な女の子キャラなのは『風の谷のナウシカ』『ふしぎの海のナディア』等の名作アニメをリスペクトした結果らしい。
――WayFoward社のオリジナル作であるシャンティやマイティ(『マイティスイッチフォース』などのシリーズ作を展開)のキャラクターには、日本のアニメやゲームのテイストがとても感じられます。その理由はあるのでしょうか?
マット:日本アニメの影響を多く受けているんですよ。『らんま1/2』、『トランスフォーマー』、スタジオ・ジブリのアニメ作品などが好きで、これらの日本の作品、日本初のカルチャーを体験して育っていますからね。
でも、小さなころはこれらが日本のモノであることを知らずに楽しんでいました。日本の作品だと教えてくれたのはアニメーションを学んでいた大学の先生からだったんですよ。
引用:『シャンティ -海賊の呪い-』開発者マット・ボゾン氏インタビュー 日本上陸間近の日本人が作るより日本らしいゲーム!?【TGS2015】 - ファミ通.com
Matt氏はアニメーター養成に力を入れている、カリフォルニア芸術大学の出身。幼少期から日本のアニメ・ゲーム文化に慣れ親しんできた彼は、アニメーション技術を活かしたゲーム制作を夢見て、他の卒業生たちと共同でゲーム会社「WayForward」を立ち上げた。
こうした背景があるためか、WayForward社のゲーム作品は "アニメ的作風" を重要視している。ポップで可愛らしいキャラクター、滑らかに動くグラフィックが最大の売りだ。
看板タイトル『シャンティ』シリーズはその好例と言える。日本のサブカルを愛好する開発陣のセンスが遺憾なく発揮されているぞ!
あと、モンスター娘・人外キャラが豊富な点も『シャンティ』の魅力だと考える。
ゾンビ娘、ハーピー、ラミア、スライム娘…などなど。敵味方問わず様々な人外キャラが登場。しかも全員がメチャ可愛い。モンスター娘・人外キャラ好きには、間違いなくブッ刺さるゲームと言えるだろう。オタクを全力で殺しにかかっている!
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変身を使った探索型アクション
『シャンティ』シリーズの基本ゲーム性は、探索型2Dアクション (所謂「メトロイドヴァニア」) だ。広大なステージを練り歩き、多彩なアクションを使いこなして探索範囲を広げていく*1。
Matt Bozon氏:
プラットフォームは異なりますが,シリーズで一貫しているのは「プラットフォーム型のアクションアドベンチャー」であるということです。
主人公の「シャンティ」はベリーダンスを踊ることで,精霊を呼び出したり,魔法の力を使えたりでき,その力を駆使して障害を乗り越えていきます。
ボスを倒すと探索可能なフィールドが広がっていくので,「ゼルダの伝説」や「メトロイド」に近いイメージだと思っていただければ,お分かりいただけるでしょう。
引用:[TGS 2015]待望の日本語版発売が決定した「シャンティ -海賊の呪い-」の開発者 マット・ボゾン氏にインタビュー - 4Gamer.net
主人公「シャンティ」は、魔人 (ジーニー) の母親を持つ "ハーフジーニー" の女の子。
長いポニーテールを鞭のように振るうウィップ攻撃と、母親譲りの魔法を得意とする個性的キャラクターだ。ゲーム進行に合わせて使えるアクションが増えていく。
中でも重要なのが「変身」を使ったアクション。
シャンティは魔法のベリーダンスを踊ることで、様々な動物・モンスターに変身できる。フォームチェンジを駆使してダンジョンの謎を解き、障害物を突破するのだ。この辺は『ワリオランド』っぽい。
『ロックマン』『悪魔城ドラキュラ』『ゼルダの伝説』など、往年の和製アクションゲームの影響が垣間見られるのもシリーズの特徴。
ゲーム難易度も程よく、海外製だが日本のゲームと全く同じ感覚でプレイ可能。洋ゲーに抵抗がある人でも気軽に楽しく遊べるハズだ!
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アラビアンで軽快なゲームBGM
ゲームの世界観とマッチしたアラビアンテイストな楽曲も『シャンティ』シリーズの魅力。思わず口ずさみたくなるような、ポップでメロディアスなBGMの数々がゲームプレイを盛り上げてくれる。
シリーズ楽曲はサウンドコンポーザーの Jake Kaufman 氏が担当。濃密でインパクトのある音作りに定評があるクリエイターで、『ショベルナイト』や『魂斗羅 Dual Spirits』等のゲームBGMも手掛けている*2。以下のIGN特集記事も参照して欲しい。
ひとまず、シリーズでもお馴染みのBGM「Burning Town」を聴いてみて欲しい。悪党の襲撃を受け炎上する街を横目に、シャンティが颯爽と駆け抜ける時のステージBGMだ。
ディズニー映画『アラジン』を彷彿とさせる中東風のメロディーライン、疾走感溢れるハイテンポな曲調で、耳に残る印象的な楽曲に仕上がっている。音楽に詳しくない自分も聴きごたえがあって良い曲だと思った。
『シャンティ』シリーズに限らず、Jake氏の手掛けたBGMは良曲揃いなので超オススメ。Bandcampで楽曲を試聴できるので、是非聴いてみて欲しい。
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『シャンティ』シリーズを一挙紹介
『Shantae (シャンティ・日本未発売)』
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
探索 | ★★★★★ |
グラフィック | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード |
・GBC (海外版) |
『シャンティ』シリーズの歴史は意外と長い。
第1作『Shantae』は、2002年にゲームボーイカラー (GBC) 用ソフトとして販売された。北米のみの発売で、日本では未発売。販売元はカプコンUSA。
ゲーム構想は1994年頃からあり、当初は PC もしくは SNES (海外のスーファミ) 向けに開発が進められていた。だが途中で…開発体制・制作コストなどの兼ね合いでプラットフォームをGBCに変更した経緯がある。かなりの難産。
シリーズ第1作ということもあり、ストーリー内容は超シンプル。
シークインランドの平和を守るため、女海賊リスキィ・ブーツに奪われた「蒸気機関」を取り戻す!というお話。会話はすべて英語で繰り広げられる。日本語翻訳版は無い。
『Shantae』発売当時は次世代携帯ハード「ゲームボーイアドバンス (GBA)」が発表され、一世を風靡したゲームボーイの時代が終わろうとしていた、まさに "過渡期" だった。だが…『Shantae』のクオリティは、同期GBAソフトに勝るとも劣らない。
まず、グラフィックの描画・表現力が抜群にスゴイ。
丁寧に描かれたドット絵のキャラ達が、ゲームボーイとは思えない程に滑らかに動くのだ。コミカルで可愛らしいアニメ風グラフィックは惚れ惚れする完成度。
特に主人公「シャンティ」はズバ抜けて可愛い。モーションパターンが非常に豊富で、ボタンを押すたびに華麗な動きを見せてくれる。全く飽きが来ない。
ステージ背景なども緻密に描かれてて見応えバツグン。シチュエーションに応じて画面の色調が動的に変化するなど、演出面のコダワリも光る。ゲームボーイカラーの描画性能を最大限に活用していてスゴイ。
アクションゲームとしての完成度も高い。
広大なステージを探索して、新能力を獲得して行動範囲を広げる…といった「メトロイドヴァニア」系のシステムを採用。ゲーム性は『ドラキュラII 呪いの封印』に似ている。昔のゲームながら、探索のボリュームも結構ある。
『ゼルダの伝説』のように「ダンジョン」を探索する場面も。ブロックの絵柄を合わせたり、磁石のような性質で物体を引き寄せたりと、なかなか凝った謎解きが用意されてて面白い。
各地のダンジョンに幽閉された精霊 (?) を救出すれば「ベリーダンス」を習得可能。リズムに合わせてコマンド入力すると、シャンティがダンスを踊り、様々な動物・モンスターに大変身。変身アクションを駆使して行動範囲を広げていくのだ。
道中にある「街」に入ると、道行く人々に話しかけたり、建物に立ち寄ったりできる。通常の2Dアクションから、RPG風の画面構成にシームレスに繋がる演出も面白い。
アイテムを購入できる「ショップ」や、ミニゲームが遊べる施設等もあり、ゲームを単調にしない工夫が散りばめられている。
女児向けのゲームに見えるが…キュートな見た目に反して難易度は高め。
敵の攻撃が激しく、即死トラップも多いため、マジで頻繁にゲームオーバーになる。セーブポイントが少ない、マップが無いために迷いやすいなど、レトロゲー特有の不親切さも。遊んでて楽しいので苦ではないが。
そして、このゲーム最大のネックは…入手難易度がメチャクチャ高いことだ。
流通量が少なかったため、当時品GBCソフトのプレミア化が進んでおり…中古ソフトでも数万円で取引されているのだ。高いッ!
一応、海外では3DS移植版・Switch移植版等の復刻ソフトが配信されている。だが…海外限定となり日本では未配信。日本人ファンが遊ぶ場合、リージョンロック解除等で頑張るしかない。
おそらく翻訳版ロムが存在しないため、日本では配信予定が無いのだろう。しかし、最近は日本でもシリーズ人気が高まりつつあるし、確実に需要はあるハズ。日本国内でも、お手軽に復刻版『Shantae』を遊べるようにして欲しい(切実)
※ちなみに、日本国内での入手方法については以下の記事で紹介している。今後リージョンロック周りについても追記予定。
余談だが…オリジナルGBCソフトを探している人は『Shantae』海賊版ソフトの存在に注意して欲しい。
クリア (透明) なカートリッジのオリジナル版に対して、海賊版ソフトは赤色 (もしくは灰色) のカートリッジとなっている。ラベルデザインとかも違う。
ゲーム内容はオリジナル版と同じだが…無許諾で販売されている複製品で、重大なバグも確認されている。偽物なのに高額転売されているケースが多い。間違って購入しないよう注意されたし。
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『Shantae: Risky's Revenge (リスキィ・ブーツの逆襲)』
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
探索 | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード |
・DSiウェア (海外版) |
2010年に発売されたシリーズ第2弾。それが『Risky's Revenge』である。
第1作『Shantae』の続編で、当初はニンテンドーDSiウェアとして配信された。他のハードにも移植されている。今でもSteam等で入手可能だ。
第1作『Shantae』発売から10年くらいのブランクがあるが…コレには理由がある。
実は『Shantae』発売後すぐ、WayForward社はGBA向けに『Shantae Advance (仮)』を制作していた。だが…販売元の都合で未発売のまま終わってしまったのだ*3。
その後、2008年頃にDSiウェアの配信サービスが開始したことを受け「コレなら自社で直接ゲームを制作・販売できる!」と判断。お蔵入りとなったGBA版のシステムを流用して『Risky's Revenge』が完成したのである。
そんな感じで紆余曲折を経て発売された本作だが…第1作『Shantae』に負けない上々のクオリティに仕上がっている。
まず目を引くのが、前作に負けず劣らずの美麗なグラフィック表現。
高解像度&フルカラーのドット絵でキャラや背景が緻密に描かれている。アニメ―ション枚数が多く滑らかに動くので、ドット絵好きにはマジでたまらない。
ストーリーは前作の続き。リスキィ・ブーツに盗まれた魔法のランプを取り返すため、シャンティが冒険の旅に出る!という王道展開。本作から会話シーンにキャラクターの立ち絵が追加され、キャラゲー色がだいぶ濃くなった。
ゲームシステムは前作『Shantae』を踏襲。変身を駆使してダンジョンの謎を解き、行動範囲を広げていく。オーソドックスな探索型2Dアクションだ。
シャンティの変身は、前作の「サル」「ゾウ」に加えて、水中移動に特化した「マーメイド」が新たに追加された。
変身バリエーションは全3種類と少なめだが、固有の攻撃技が使えるようになった。アクション性がグッと強化されていて、後発作品のスタンダードになっている。
前作『Shantae』の問題点が改善され、良好なゲームバランスになっている点も見逃せない。落とし穴・トゲなどの即死要素が廃されたり、魔法の使い勝手が良くなったり。
総評としては、第1作目『Shantae』を正統進化させた良作ゲームといったところ。
若干ボリューム不足感は否めないが、DSiウェアで発売されたことを考慮すれば妥当かなと思える。
様々なハードでプレイ可能で、現在でも比較的入手しやすい。全テキストが日本語翻訳された Wii U版/PS4版も発売されているので、気になる人は遊んでみよう。日本語翻訳が若干怪しいけど。
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『Shantae and the Pirate's Curse (海賊の呪い)』
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
探索 | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード | ・ニンテンドー3DS ・Wii U ・Nintendo Switch ・PlayStation 4 ・XBoxOne ・Steam (英語のみ) |
2014年に発売された『シャンティ』シリーズ第3作。最初はニンテンドー3DS専用ソフトとして発売された。他のハードにも移植済み。
日本では『シャンティ -海賊の呪い-』というタイトルで発売され、シリーズ初の日本語翻訳・ローカライズが実現。本作以降、日本国内でも積極的にシリーズ展開がなされるようになった。
自分が初めて遊んだシャンティもコレ。パッケージに一目惚れして購入しました…(オタク)
日本のイラストレーター、KOU (矢部誠) 氏がイラストを担当したことも注目を集めた。過去に『ロックマン ゼクス』などを手掛けた同氏の手腕により、さらに『シャンティ』の絵柄が洗練され、日本人にも親しみやすい雰囲気に昇華されている。
インサイド特集記事などによれば、『シャンティ』新作のアーティストを探していたMatt Bozon氏が、KOU氏の手掛けたファンアートを見て「これだ!」と感じ、起用に至ったそうな。
『The Pirate's Curse』は、シリーズ随一と言えるほどの異色作。
明るい雰囲気の『シャンティ』では珍しく、ダークでシリアスな物語が展開されるのだ。ゲームの世界観も他作品と比べてだいぶ暗い。程よくギャグ展開はあるけど。
ストーリー内容は、シャンティとリスキィ・ブーツが一時的に手を組み、封印された「パイレーツマスター (海賊王)」の復活を阻止する!といった話。宿敵リスキィと行動を共にできるのは、他作品には無い斬新な要素。
シャンティは前作『Risky's Revenge』のラストで魔力を失い、ただの人間になってしまった。
その続編にあたる本作では、お馴染みのベリーダンス&変身能力が使えない。マリオがジャンプできなくなったり、ソニックがダッシュ不能になるような大事件である。
なので本作では…海賊の武器 (パイレーツギア) を収集してシャンティの能力を強化する。変身の代わりに、武器を使ったアクションで探索・謎解きを行うのだ。
遠くのモノを狙撃できる「ピストル」や、地上を高速で駆け抜ける「ブーツ」など、従来作とはひと味違ったアクションが楽しめる。ダークな世界観も相まって『メトロイド』『悪魔城ドラキュラ』に近いゲーム性だと感じた。
本作では「ステージ選択制」を採用。地続きのマップを行き来していた従来作とは異なり、リスキィの海賊船に乗って、目的の島 (ステージ) へと移動。ストーリー進行に合わせて新たな目的地が解禁され、様々な島を冒険することになる。
探索重視のマップ構造で、迷路のようなダンジョンがあったり、一度訪れた島にまた戻る必要があったりと、一筋縄ではいかない。典型的な「メトロイドヴァニア」系アクションに仕上がっている。
難易度は中の上くらいだが、前作『Risky's Revenge』から操作性が改善され、アイテムを使ってゴリ押しすれば、割と余裕でクリアできる親切設計になっている。
豊富な収集要素・クリア報酬が用意されていて末永く遊べる、コスパ面でも優秀なタイトルだ。興味を持った人は、是非遊んでみて欲しい。
『The Pirate's Curse』は様々なハードでプレイ可能だが、個人的には Switch版が一番オススメ。適正価格でお財布に優しく、日本語翻訳がちゃんとしている。
参考までに以下の Switch/3DS 比較画像をご覧いただきたい。Switch版の方が、かなり自然な文章になっているのが分かる。
一応、3DS版は立体視機能でキャラクターのおっぱいが飛び出すというメリット (?) があるのだが、それを考慮しても翻訳のヒドさは擁護しきれない。よほどの理由がない限り、他のバージョンを検討した方がイイと思う。
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『Shantae: Half-Genie Hero (ハーフ・ジーニー ヒーロー)』
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
探索 | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード | ・Nintndo Switch ・PlayStation 4 ・XBoxOne ・Steam など |
クラウドファンディングで開発資金を募って制作されたシリーズ第4作。日本語翻訳版も販売された。
ちなみに…約22000人のファンが支援を行い、当初の目標額をはるかに越え、最終的な資金総額は約95万ドルに達したらしい。すんげぇ金額。人気の高さがうかがえる。
『Half-Genie Hero』は、初めて『シャンティ』を遊ぶ人に超オススメな作品だ。
ストーリは至極シンプル。操作性も良好で非常に遊びやすい。シリーズのリブートを目指した作風で、過去作の良い部分を盛り込みつつ、様々な改良が施されている。
まず本作は、これまでドット絵で描かれていたグラフィックを一新。シリーズ初のHDグラフィックを採用。
2Dアニメ風キャラを、3Dモデルで構成された立体的なステージで操作。現代風でありながら、どこか懐かしさも覚えるゲーム仕様だ。
本作では「ステージクリア制」を導入。『スーパーマリオ』などでお馴染みの固定長のステージを順繰りにクリアしていく形式で、迷わずサクサク遊べるようデザインされている。
各ステージでは独立した悪役が登場。悪の企みを阻止するため、ストーリー進行に沿って様々なステージを冒険することになる。難易度も丁度イイ塩梅で、気軽にサクッと遊べるのが嬉しい。
ステージクリア型のゲームではあるが、従来の探索・やり込み要素も健在。
各ステージにアイテムが隠されていて、アクションを駆使して回収。ステージを何度も周回してアイテムを探し出す楽しみがある。
さらに本作では、シリーズ恒例のベリーダンス&変身が復活。
変身を駆使してステージを攻略していく、原点回帰的ゲーム性に。歴代作品に登場した「サル」「ハーピー」などの変身に加え、「ネズミ」「コウモリ」などの新しい変身も追加されている。
フォームチェンジの種類は過去最多。全16種類の変身が使用可能。超万能な変身がある一方、ピーキーな性能の変身があったりと、バリエーションに富んでいて面白い。
クリア後には、基本ダンスが最初から使える「ヒーローモード」や、高難易度の「ハードコアモード」等が解禁される。やり込み要素が豊富でコスパ最強のゲームと言えるだろう。
追加DLCコンテンツが豊富な点も魅力の1つ。
宿敵「リスキィ・ブーツ」を操作する『メタナイトでゴー!』的なモードや、シャンティの親友3人組で冒険する『悪魔城伝説』を思わせるモードなど。追加ゲームモードは全5種類。
ステージは使い回しだが、キャラ性能・敵配置なんかが結構変わっている。本編以上にシビアで難しいモードも多く、全然違ったゲーム性が楽しめる。
『Half-Genie Hero』は様々なハードでプレイ可能。個人的にはDLC全部入りの「アルティメット・エディション」がベストだと考える。多少値は張るものの、ボリューム満点でお得感が強い。
Switch/PS4版は日本語翻訳が自然なので、特にコダワリが無ければコチラが推奨。他のバージョンは原文寄りだが日本語表現がチョイ怪しい。好みで選択しよう。
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『Shantae and the Seven Sirens (7人のセイレーン)』
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
探索 | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード |
・Apple Arcade |
2019年3月末に『Shantae 5』として発表された。ファン待望のシリーズ第5作。日本語版ソフトも発売中だ。
『キルラキル』『プロメア』などを手掛けたアニメーション会社「TRIGGER」がオープニング映像を担当したことも、ネット上で話題を呼んだ。シャンティ達がめまぐるしく動き回る映像は必見。超カワイイ…
オープニング映像は勿論のこと、本作ではストーリー演出の一環として、アニメ風カットシーンが積極的に導入されているのが売りとなっている。全編フルボイス。『シャンティ』がアニメ化したらこんな感じなんやろなぁ…と思わせる高クオリティっぷり*4。
ストーリーは、かなり外伝的傾向が強い。
シャンティ達はバカンスを楽しむため、いつものシークインランドを離れ、南国の島を訪れる。島では丁度、ジーニー (魔人) に対する感謝祭が開催予定で、祭典に出演すべく各地のハーフジーニー達が集結していた。旅行で居合わせていたシャンティも飛び入り参加することに。
だが…仲間のハーフジーニー達が全員、祭典のリハーサル中に忽然と姿を消してしまう。シャンティは神隠しにあった仲間を探し出すため、旅先の島で冒険を繰り広げことになる。
『The Seven Sirens』は、シリーズ第1作『Shantae』を意識した本格的探索アクションゲーム。
冒険の舞台となる南国の島には、迷路のように複雑に入り組んだ地下世界が存在。『スーパーメトロイド』に匹敵する広大なマップを、手探りで探索することになる。
『メトロイド』のような探索性で、じっくりステージ全体を練り歩く必要があるのだ。気軽に遊べた前作『Half-Genie Hero』とは対照的。この辺は好みが分かれるポイントかも。自分はこっちの方が好き。
南の島が舞台なので、本作のシャンティは、トロピカルな水棲生物に変身する。
壁を這って移動できる「イモリ」や、障害物を破壊して進む「ウミガメ」など、全4種類の変身が使用可能。歴代フォームチェンジとは一味違う。
これまでのシリーズ作品では、変身時に毎回ダンスを踊る必要があった。だが本作ではその辺がオミットされ、ボタン1つで変身できる "派生アクション" 扱いとなっている。
あの個性的なベリーダンスが見られないのは寂しいが…ダンスを介さずスムーズに変身できるので、操作性が抜群に良い。ボス戦でも反射的にサッと使えるので、積極的に変身を活用できる。
仲間のハーフジーニーを救出すると、直伝の「マジカルダンス」を習得できる。
見えない物体を透視する「スキャンダンス」や、放電で敵を攻撃できる「エレキダンス」など、画面全体に作用する特殊なダンスだ。どれも強力な効果を持ち、攻撃用途だけでなく、謎解きに活用する場面も。
新システム「モンスターカード」にも注目したい。敵モンスターの固有能力を宿したカードで、敵を倒したり、NPCと交換する等の手段で入手できる。
攻撃力アップ、移動速度アップなど、カードには様々な効果があり、装備することでシャンティの能力を強化可能。『暁月の円舞曲』の「タクティカルソウル」システムを彷彿とさせる。
強力な効果を持つレアカードほど入手が難しく、最大3枚までしか装備できない。どのカードを優先取得・装備するのか、プレイヤーの手腕が試されるだろう。
『The Seven Sirens』は様々なハードでプレイ可能。
Apple Arcade版は1ヶ月間の無料トライアル期間が用意されているので…その気になれば無料で試遊することも可能だ。Appleユーザーは遊んで損は無い。
ちゃんとしたゲームハードで遊びたい御仁にはSwitch/PS4版がオススメ。
価格は3,000円程度。日本語翻訳が見直され、様々な新要素 (ムービー演出など) も追加されているので、購入価値は十分にある。
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最後に
以上、個人の主観マシマシな『シャンティ』シリーズ紹介記事でした。どれも面白い良作ゲームなので、遊んでみて損は無い。気になる人は是非!
唯一の残念ポイントは…日本人ファンが初代『Shantae』を遊ぶ敷居が高い点だろうか。
一応、シリーズ開発者のMatt氏も、日本でのシャンティ需要の高まりは認識していて、初代『Shantae』を日本向けに配信したい!と考えているらしい。
――最初の方で少し話題が出ましたが、ゲームボーイカラー版の初代『シャンティ』を日本でも何かの形で遊べるようにする計画などはありますでしょうか?(筆注:海外では3DSバーチャルコンソールにて再販されている)
Matt:残念ながら、今のところは予定はないですね。リメイクも検討はしたのですが、1からのコーディングという形になってしまうので時間も掛かってしまい、難しいところです。ですが、本当に日本でリリースしたい気持ちです。可能であればニンテンドースイッチのバーチャルコンソールで出せたら、とも思います。頑張ります。
引用:【TGS2017】美少女ACT『シャンティ』シリーズ生みの親Bozon夫妻に直撃!―「日本のファンの声をもっと聞きたい」- Game*Spark
また、Matt氏は別の会見で意味深なコメントを残している。以下、シリーズ第4作目『Half-Genie Hero』発表時のインタビュー記事である。
4Gamer:
今後のシャンティシリーズについて,どのような展開を考えていますか。
Matt Bozon氏:
やりたいことはたくさんあります。「ハーフ・ジーニー ヒーロー」はアーケード寄りのアクションゲームになったので,次は冒険や探索の要素を全面に押し出したいと思っていますし,3Dグラフィックス表現で第1作(2002年に発売されたゲームボーイカラー版)をリメイクするもいいですね。
引用:「シャンティ:ハーフ・ジーニー ヒーロー」完全版の国内発売が決定。クリエイター マット・ボゾン氏にインタビュー - 4Gamer.net
Matt氏が言及している「冒険や探索の要素を全面に押し出した」タイトルは第5作『The Seven Sirens』とみて相違ない。…となると、次は初代『Shantae』リメイク作品が作られるのではなかろうか?
自分の勝手な予想だが、大いにありえる話だ。歴代『シャンティ』シリーズを遊びつつ、淡い期待を寄せ待ち続けたい…!
*1:第4作『Half-Genie Hero』など面クリア型のゲームも一定数ある。一概に探索アクションだよ!とは言い切れない。
*2:なお、シリーズ最新作『七人のセイレーン』の楽曲は、日本の作曲家、サカモト教授が率いるサウンドチームが担当していて、Kaufman氏は関与していない。チップチューンのピコピコ音が楽しく、コッチも良曲揃いだ。
*3:IGN特集記事によると対戦モードなんかも用意されていたらしい。
*4:イベントムービーの導入は、前作『Half-Genie Hero』時点でも企画されていた。だが、Kickstarterの支援金が該当のストレッチゴールに達しなかったため、見送られてしまったのだ。そのため今回、満を持してアニメ演出を実装したのだと思われる。