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幻の『メトロイド ドレッド』とは何だったのか?

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『メトロイド ドレッド』というゲームタイトルをご存じだろうか?

 

 古くからの『メトロイド』ファンなら、知っている方も多いことだろう。開発中の『メトロイドシリーズ』新作としてタイトル名だけ先行して発表されたものの、結局その正体がよく分からないまま、闇に葬り去られた幻のゲームソフトなのだ。

 

今なお不定期で新作が発売されている『メトロイドシリーズ』だが、この『ドレッド』だけはついぞ発表されず、その正体については未だに謎が多い。結局どんなゲームだったのか、そもそも本当に開発されていたのか…?

 

今回の記事では、そんな謎多き『メトロイド ドレッド』について、備忘録もかねて情報をまとめてみた。一体どういう内容のゲームだったのか…その正体やいかに??

 

 

『メトロイド ドレッド』の発表

『メトロイド ドレッド』という名称が初めて確認されたのは、任天堂が内部向けに発行した2005年度ゲーム発売予定リスト。リストには当時の携帯ゲームハード「ニンテンドーDS」向けソフトを中心に、将来的に発売予定のゲームソフト名が記載されていた。そのDS用ソフト一覧の中に『メトロイド ドレッド』の名前があったのだという。

 

この発売予定リストは IGN や Nintendo-Next などのゲームメディアに連携され、2005年6月に発行された米国のゲーム雑誌「Game Informer」にも掲載された。自分が確認した限り、当時の日本国内のメディアでは、この発売予定リストについて言及している記事などは見受けられない。おそらく海外限定で公開された情報だったのだろう。

 

リストに記載されたゲームソフトの大半は、E3 2005で情報が正式発表され、その後しっかりと発売されている。具体例を挙げると『スーパープリンセスピーチ』『大人のDSゴルフ』『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』など。だが、リストアップされた全タイトルの中で唯一『メトロイド ドレッド』だけが発売されなかったのだ。

 

『メトロイド ドレッド』の存在が無に帰した理由は、未だに謎のままだ。下記リンク先で言及されているように、何らかの理由で開発中止に至ったと解釈するのが妥当だろう。しかし、本当に開発されていたんですかね…?

 

www.inside-games.jp

 

ちなみに、2005年9月19日には『メトロイド ドレッド』は正式発表はされていないものの、現在もなお開発中であるとIGNが報告していた。イギリスのゲーム専門誌「Nintendo Official Magazine」では、『メトロイド ドレッド』の発売予定日が2006年11月とされていたらしい。

 

この辺はソースが不明確な情報で、真偽の程は定かではないが、海外ファンの間での期待度の高さが窺える逸話ではある。

 

誤解を招いたログメッセージ

そんな折、ビッグニュースがあった。2007年に海外で先行発売された『メトロイドプライム3 コラプション』のゲーム中で、幻の『メトロイド ドレッド』の開発状況についての情報が公開されている…というのである。

 

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問題のログメッセージ

 

知っての通り『メトロイドプライムシリーズ』では、サムスの装備したスキャンバイザーを使って、遺跡の碑文・基地施設のログデータなどを解読することができる。ゲーム終盤で訪れる惑星ウルトラガス (Pirate Homeworld) の施設内に、その問題のログメッセージがあったのだ。

 

Experiment status report update. Metroid project "Dread" is nearing the final stages of completion

 

太字部分を直訳すると「メトロイドのプロジェクト "ドレッド" は、完成近くの最終段階に達している」となる。2007年8月27日、このログ内容が『メトロイド ドレッド』の開発状況について示唆しているのではないかと、IGNが報道したのだ。詳細は下記リンク先を読んでいただきたい。

 

www.ign.com

 

結論から言うと、コレは全くの誤報だった。まず、ログで言及されている「Metroid project "Dread"」についてだが、コレはゲーム中に登場する浮遊生命体「メトロイド」を利用したパイレーツの計画…つまり架空のプロジェクト名である。そのため、噂された『メトロイド ドレッド』とは何の関係も無い。

 

ついでに言うと、すぐ近くにある別のログでは、この「Metroid project "Dread"」が失敗に終わったという報告文が確認できる。メトロイドを武器の動力源にする計画だったが、結局ダメだったらしい。

 

Experiment unsuccessful. All attempts at using Metroids as a weapon power source have failed. 

 

『メトロイドプライム3』開発スタッフ側からも、ログメッセージには『ドレッド』との関連性は無いとキッパリ否定されている。MTVが実施したインタビューで、ディレクターのMark Pachini氏は、架空のプロジェクト名が偶然一致しただけだと述べている。

 

MTV:

What's the story behind the apparent reference in "Metroid Prime 3" to "Metroid Dread," the rumored but never-confirmed 2D game some fans hope is being made at Nintendo?


Pacini:

"It's not what you think it means… it was something that was overlooked and wasn't in any way indicating anything about the handheld game. We know no information about the handheld games.

 

MTV:

Are you suggesting that you got in trouble or something?

 

Pacini:

Not at all. We actually had a fictional element of something else in the game that by a large coincidence could be read that we were giving a hint about "Metroid Dread" which was not the case. It's a complete and utter coincidence.

 

Retro Studios Answers The Dreaded Metroid Dread Question -- And Other Prime Exclusives - MTV

 

さらに追い打ちをかけるように、2007年9月のGames Rader+の記事で、現時点では『2Dメトロイドシリーズ』の開発を行っていないと任天堂が公言していることが分かった。『メトロイド ドレッド』は2D新作と噂されていたのだが、この報道で『ドレッド』の存在そのものが否定されてしまったのである。悲しいなぁ。

 

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日本版ログは変更されている

 

このような経緯があったためなのか、日本版『メトロイドプライム3』では該当のログは直訳されず、全く別の文章に差し替えられた。日本国内でも『ドレッド』の噂はチラホラ上がってたので、混乱を招かないようにするための回避策だったのだろう。

 

パイレーツの暗号化データ解読完了:兵器開発研究の進捗報告。ドレッド級タレットの開発は順調。

 

余談だが、自分が『メトロイド ドレッド』の存在を知ったのも、丁度このくらいの時期『ゼロミッション』『フュージョン』など、過去に発売された2Dシリーズを夢中になって遊んでいたので、2D完全新作の『ドレッド』の噂が真実であることを切に願ったものだ。

 

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当時の自分が妄想した『ドレッド』パッケージ

 

当時の自分が描いたラクガキが残っていたので、ひっぱり出してきた。こんな具合にパッケージデザインまで、しっかりと考えていたのだ。相変わらず下手くそなイラストである。まるで成長していない。

 

ゲームのストーリー・世界観についてもアレコレ妄想を巡らせ、1人でほくそ笑んでいたのである。『フュージョン』後の時系列、つまり「メトロイド5」に当たるタイトルで、復活した寄生生命体Xとサムスが対峙する!という壮大なストーリーを予想していた。いくら何でも拗らせすぎだろ…。

 

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『メトロイドⅡ』リメイクの妄想イラストも

 

ついでに紹介すると『メトロイドⅡ RETURN OF SAMUS』のリメイク版ソフトも妄想していた。コレに関しては、だいぶ後に任天堂公式から『サムスリターンズ』が発売され、夢が実現したので嬉しい限りである。下の説明文とか、結構当たってて面白い。

 

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『メトロイド ドレッド』は実在した?

 結局、その後も『メトロイド ドレッド』の情報は特に公表されず、その名はゲーム史の闇に葬り去られたのだった。だが、多くの『メトロイド』ファン・ゲームメディア記者は、『ドレッド』という名称を強く脳裏に焼き付けられ、その存在を諦めきれずにいたのだ。

 

特に海外ファンはその傾向が顕著で、E3などで『メトロイド』新作が発表された際には、インタビュアーは『ドレッド』との関連について真っ先に質問するのである。お前ら『ドレッド』大好き過ぎるだろ。

 

この質問攻めの一番の被害者は、シリーズの主要な開発者である坂本賀勇氏。だが坂本氏はこうした難儀な質問に対しても、真摯に対応してくれている。

 

Kotakuの記事によれば、E3 2009で発表された『メトロイド アザーエム』は『ドレッド』ではないと否定している。また、IGNの記事によると、2017年の『サムスリターンズ』発売時のインタビューでは、坂本氏は同作があくまで『メトロイドⅡ』のリメイクに過ぎず、『ドレッド』では無いと断言している。

 

jp.ign.com

 

こうしたインタビュー記事を見て気になるのは、坂本氏が『メトロイド ドレッド』の存在そのものは否定していない…という点だ。一応、昔そういう感じの開発プロジェクトが存在したと、やんわり認めているのである。以下のインタビュー記事などが特に顕著だろう。

 

GamesTM:
We can’t leave without asking about Metroid Dread. Did it ever exist?

 

Yoshio Sakamoto:

I cannot deny the existence of such a project in the past but cannot say if it will be what I move onto next or not. I’m sorry but we would like to keep that game a mystery. After all, there has been a lot of speculation surrounding Dread. And my hope, if at all possible, is to reset the situation at once and start from scratch.

 

Yoshio Sakamoto discusses Metroid 64, Metroid Dread and the 3DSMetroid:

 

『メトロイド ドレッド』のゲーム内容についても、いくつか情報があがっている。中には信憑性の低そうな情報も散見されるが、自分が確認した噂を以下に列挙してみよう。 

 

Nintendo Lifeの特集記事によると、Nintendo Software Technology社 (以下、NST) の内通者を名乗る人物が『メトロイド ドレッド』に関する情報を公開しているらしい。それによると2008年頃に『ドレッド』の試作品が作成され、E3 2009年頃、Nintendo of Americaのスタッフに試作品が提供されたのだという。
 

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『フュージョン』のようなゲーム仕様だった?
 
試作品は『メトロイド フュージョン』と似たタイプの横スクロールアクション。DSの下画面にマップが表示され、上画面を見てゲームをプレイする『サムスリターンズ』のようなゲーム仕様だったとか。この試作品の提供により、NSTは『メトロイド』新作開発の有力候補として挙げられていたのだが、諸事情により開発は取りやめになったのだという。
 
また、2018年に公開されたHobby Consolasのインタビュー記事では、坂本氏がニンテンドーDSで『メトロイド』新作を開発しなかった理由について述べている。彼の構想していた新作『メトロイド』のアイディアが、ニンテンドーDSの技術仕様では表現しきれないかったため、開発を見送ったとのことらしい。コレが『メトロイド ドレッド』を指す内容かどうかは判別がつかないが、開発中止を決定づけた理由たりえる話ではある。
 
加えて、IGNの記者 Craig Harris氏の言によると『メトロイド ドレッド』のストーリー概要についても、ある程度定まっていたのだという。ゲームメディア記者向けに配布された書面に、簡単なプロットが掲載されていたと当時を振り返っている。Craig氏は肝心の内容については忘れてしまったらしいが。本当かなぁ…。

 

…話の真偽は置いといて、上記の内容を踏まえると『メトロイド ドレッド』が実際に開発されていた可能性は極めて高いと考えていいだろう。多分だけど、幻の『メトロイド ドレッド』は実在したんだ。そうであって欲しい…!

 

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まとめ

以上、『メトロイド ドレッド』に関するまとめ記事でした。自分の知りうる限りの情報を強引にまとめてみたワケだが、不確かな情報もいくつかあるので、あまり本気にしないように注意してほしい。特に『ドレッド』のゲーム内容の話については、そこまで確証が持てない。

 

2017年発売の『サムスリタ-ンズ』を最後に、長らく動きが無い『メトロイドシリーズ』だが、近い将来必ず、2D新作を発表してくれるハズだと自分は信じている。

 

『サムスリターンズ』での描写を見る限り、今後もシリーズ展開を続けるという強い意思が感じられたし、システム面でもまだまだ進化の余地があると思うのだ。現行のゲームハード「Nintendo Switch」との相性も抜群だろうし。自分が生きているうちに是非とも実現してほしいものである。

 

もちろん、2D完全新作のタイトル名は『メトロイド ドレッド』で。期待してお待ちしております…。