2023年5月、ゴールデンウィーク期間に『AWS デベロッパーアソシエイト (AWS DVA)』を受験してきた。
数あるAWS認定資格試験の1つで、実務経験1年以上のエンジニアの受験を想定。システム開発者向けの実践的知識が問われる。
自分はAWSを触ったことが無い完全初心者だったが…約1週間の独学勉強だけで合格できた。割とギリギリだったが、合格したことには変わりない。
今回の記事では、備忘も兼ねて『AWS DVA』受験までの流れ・勉強方法をご紹介したい。
AWS・インフラ未経験者でも大丈夫。効率よく勉強すれば短期間での合格も可能だ。受験を検討してる人の参考になれば幸いである。
試験概要
まず『AWS DVA』の試験概要について。以下、公式サイトからの引用になる。
試験の概要
- レベル: アソシエイト
- 時間: 試験完了までに 130 分
- コスト: 150 USD
- フォーマット: 65 個の質問、複数選択または複数応答のいずれか。
- 配信方法: Pearson VUE テストセンターまたはオンラインでの監督付き試験。
試験はパソコンを使ったマーク選択式。全65問。4つの選択肢から正答を1つ選ぶ形式だ。複数選択式の問題もチョッピリある。
試験時間は130分。1問につき2分のペースで問題を解く必要がある。試験に慣れてないと時間が足りない。受験料は15,000円 (=150USD)と結構お高め。
合格率は非公開だが、合格ラインは決まっている。1000点満点中、720点以上のスコア獲得で合格だ。
詳細な配点などは公表されていないので、正答率7割以上なら合格可能性が高い!くらいに理解しておこう。スコア8割以上なら合格間違いなしである。
なお、試験の出題範囲についてはAWS公式の試験ガイドが詳しい。目を通しておこう。
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受験の流れ
受験の申し込み
『AWS DVA』受験申し込み手順は割と複雑。自分は下記サイトを参考にした。
申し込みにはAmazonアカウントが必要。普段買い物で使ってるヤツでOK。AWSアカウントは必要無い。
予約はピアソンVUEというサイト経由で行う。受験方式は「テストセンターでの受験」「自宅でのオンライン受験」の2種類から選べる。
上の記事でも解説されてるが…自宅でのオンライン受験は色々と制約が多くて難しい。試験中に荷物が届いたりすると、最悪それだけで不正行為扱いになったりする。
なので、特段の理由が無ければテストセンター受験を選択した方が良いだろう。会場数も多いので余程のことが無い限りスムーズに予約できる。自分もテストセンター受験にした。
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試験当日 (テストセンター受験)
テストセンター受験の場合、本人確認などの手続きがあるので、試験開始の15分前に会場に集合する。
必要な持ち物は、本人確認用の身分証明書×2。ピアソンVUEヘルプページの説明をよく読んで、あらかじめ準備しておく。筆記用具は不要だ。
開始時刻になると、パソコンの置かれた個人席に案内される。メモ用のホワイトボード&ペンが渡される。あとは監督の指示に従い、パソコンを操作して試験開始だ。
各問題にはチェック欄 (旗のマーク) があり、難しくて分からない問題をマークして、後で見返すことも可能だ。分からない問題は適当に回答入力して、チェックを付けてスキップ、後で見直す…という戦法もとれる。
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合否確認
テストが終わったら、ホワイトボード等を返却して会場から退出する。この時点では結果は分からない。受験完了から5営業日以内に、AWS認定アカウントページで合否が発表される*1。
Q. 試験結果はいつ発表されますか?
A. 詳細な試験結果は、受験完了から 5 営業日以内に、AWS 認定アカウントの [Exam History (試験履歴)] から確認できるようになります。
合否発表後、試験結果のスコアレポートは「試験履歴」から確認可能。AWS認定アカウントページ上部のタブ切替で表示される。
レポートはPDF形式でいつでもダウンロードできる。合格証明書が必要な人はコレを使おう。
あと、合格者は「Credlyデジタルバッジ」という謎のバッチが貰える。Webサイトに貼り付けて見せびらかせるぞ!(誰得)
登録メアド宛にバッジ獲得の通知メールが届くのだが、試験結果レポート掲載より先に送信されることも多く、実質的な合格速報メールとなっている。バッジ獲得メールが届けば合格と思えば良い。自分も試験終了から3時間後くらいにメールが届いた。
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『AWS DVA』勉強方法
前提条件
記事冒頭でインフラ未経験でもOK!短期間合格も可能!と説明したが…これらを達成するには、ある程度の前提知識が必要となる。
少なくとも『基本情報技術者試験』合格レベルのIT知識は必須だ。未取得の人は、まずこちらの勉強を視野に入れた方が良い。
※CBT方式『基本情報技術者試験』の勉強方法は過去記事で紹介している。
自分は1~2週間程度 (のべ60時間くらい) の勉強で合格できたが、かなりの突貫工事感があった。なので、未経験者 or 安定を取りたい人は1〜2ヶ月の勉強期間を設けた方が確実と思われる。
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参考書でインプット作業
試験勉強に入る前に、まずはAWSのサービス概要を把握する必要がある。所謂 "インプット作業" だ。
AWSの基本・仕組み・重要用語が全部わかる教科書
自分が使ったのが『AWSの基本・仕組み・重要用語が全部わかる教科書』という参考書。
下の写真を見れば分かると思う。AWS初学者向けの図解付き参考書で、文章が平易で読みやすい。頭の悪い自分でもすんなり理解できた。
ジャンル別に各サービス概要が簡潔にまとまっていて、巻末の索引から分からない単語を逆引きで調べることも可能。最後まで辞書として使えるのでオススメ。勉強中に何度もお世話になった。
ただ、この参考書はAWSの主要なサービスを網羅的に解説しているので…『DVA』試験範囲外の記述も結構多い。
なので、これから学習する人は次の章だけ目を通すと良いだろう。機械学習とかの章はスッ飛ばしてOK。
- 第2章 AWSの基本と全体像
- 第3章 ネットワーク関連のサービス
- 第4章 コンピューティング関連のサービス
- 第5章 ストレージ関連のサービス
- 第6章 データベース関連のサービス
- 第7章 アプリケーション統合関連のサービス
- 第8章 監視関連のサービス
- 第9章 アイデンティティ関連のサービス
- 第10章 静的Webサイト関連のサービス
- 第12章 コンテナ関連のサービス
- 第13章 サーバーレス関連のサービス
- 第14章 DevOps関連のサービス
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Web問題集を解きまくって演習
参考書を読んでAWSサービス概要を把握したら、問題集を解きまくって試験対策を行う。
自分が使用したのは『TechStock Web問題集』という学習サイト。問題演習はこれだけで十分。
『AWS DVA』本試験を再現した練習問題が豊富に取り揃えられていて、PC/スマホで問題演習が可能。アカウント登録制で、過去の学習レポートなんかも記録される。
『TechStock Web問題集』の良いところは、1問1答形式でサクサク解答できることだ。
いきなり模擬試験を全問解こう!と思うと大変だが、1問ずつ小粒単位で消化できるので心理的ハードルが低い。スマホ版を使えば、通勤・通学のスキマ時間にも勉強できる。
回答後すぐに表示される解説も丁寧で読みやすく、内容を理解しやすい。間違えた問題をチェックして後で総復習することも可能だ。
問題の難易度は本試より若干易しめなので…正解率90%以上にして確実に解ける状態で試験に臨むのがベストだと思う。
全7問のセクション×58個を完璧にこなせば、合格は堅い。問題集を2~3周してやり込めば達成できるハズ。
唯一のデメリットは課金が必須なこと。『DVA』練習問題は有料のベーシックプランに入らないと閲覧できない。90日間有効の買い切り型プランで、価格は4,280円。その他詳細は料金ページを参照。
結構お高めだが…かなり優良なWeb学習コンテンツだし、同プランで『DVA』以外のAWS資格試験学習コンテンツも閲覧可能。アソシエイト三冠を目指す人ならコスパ最強の問題集に早変わりする。受験を検討してる人は買って損は無い。
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その他教材候補
自分は『全部わかる教科書』『TechStock Web問題集』の2冊だけで合格できたが…万全を期すのであれば、他の学習教材も使った方が良いだろう。
最後に自分が調べて良いなと思った学習教材を、オマケとしてご紹介する。
ポケットスタディ
『AWS DVA』受験者の間で高い評価を得ているのが、この『ポケットスタディ』という問題集。
ポケットスタディ AWS認定 デベロッパーアソシエイト
単元別の小問と、本番試験を想定した巻末問題とで構成された分厚い問題集。簡単なサービス概要まとめも掲載されていて、参考書としても使える。
ネット上の合格体験記を読む限り、コレ1冊だけで試験に合格することも理論上可能らしい。
自分も『AWS』試験勉強にあたって、最初に買った本がこの『ポケットスタディ』だった。
しかし。問題や解説が全体的に難しく全然頭に入らなかったので、途中から『TechStock Web問題集』に切り替えた…という経緯があった。終始お堅い文章が続くので、初学者にはハードルが高い本だと感じる。
ただ、本番に近しい厳選された良問が多数掲載されているので、補助教材としてはかなり優秀だと考える。他の問題集と併用して、慣れた頃合いに解き始めるのがベストだろう。
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最後に
以上、短期間で合格を目指す『AWS DVA』試験対策・勉強方法まとめ記事でした。
難易度は他のAWS初学者向け試験と比べてそこそこ高いものの、しっかり対策すれば合格できる資格試験だと感じた。この記事が、これから受験する人の参考になれば幸いである。
*1:昔はテスト終了後すぐ、PC画面に結果が表示されてたらしい。なぜ廃止されたのかは不明。