先日『日商簿記3級 ネット試験』を受験してきた。経理会計の基礎知識が問われる資格試験である。
自分は普段IT関連の仕事をしていて経理会計とは縁遠い。だが、業務上の関係で簿記を勉強していると良さそうだったので、今回の受験に至ったのだった。
結果は合格。2週間程度の勉強で臨み、スコアは85点 (100点満点中) だった。まぁ健闘した方だろう。理論上は1週間の勉強でもイケると思った。
今回の記事では、備忘も兼ねて『簿記3級 ネット試験』受験の流れ・勉強方法について書き残しておく。これから受験する人の参考になれば幸いである。
『簿記3級 ネット試験』概要
『簿記3級』には2種類の方式がある。紙のテスト従来型の「ペーパー試験」と、PC操作で受験する新方式「ネット試験」だ。
いずれもの方式試験時間は60分。合格ラインは100点満点中70点以上。テスト出題範囲も共通となっている。
ネット試験のメリットは、受験しやすいこと。全国各地のテストセンターでいつでも受験できる。年3回行われるペーパー試験と比べると日程を調整しやすく会場数も多い。
テストの出題内容は毎回ランダム。同日受験でも人によって問題が異なる。テスト終了後すぐに合否判定が出るのも特徴だ。
ネット試験のデメリットは、ペーパー試験と比較して受験料が高いことだろう。手数料550円がプラスされ、合計3,400円かかる。
あと、PC操作に慣れてないと試験問題を解くのが難しい。ある程度の慣れが必要だ。この辺の対策については後述する。
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受験の流れ
受験の申し込み
ネット試験の受験申し込みは「CBT-Solutions」というサイト経由で行う。
簿記3級試験用アカウントを登録して、好きな日時・会場を選択して試験を申し込む。サイト内に受験の流れについて丁寧な解説があるので、そちらに沿って進めればOKだ。
受験料の支払方法も多く、クレジットカード決済やコンビニ/Pay-easy払いに対応している。
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試験当日 (テストセンター受験)
試験当日。予約したテストセンターに向かう。本人確認の手続きがあるので、試験開始10分前には会場に集合しよう。
当日の持ち物は以下の通り。受験票・筆記用具は必要ない。
- 身分証明書 (学生証・運転免許証など)
- 電卓
身分証明書は本人確認の際に必要。顔写真付きのものを持っていくと良い。注意事項を参考に必要なものを準備しよう。
もう1つ重要なのが電卓である。
電卓はマジで必須。『簿記3級』では6桁以上の数値を計算する。スピードと正確性が重視されるので、電卓は必須アイテムだ。無いとガチで詰む。
注意事項を参考に、プログラム機能が無い電卓を持参しよう。ボタンが大きくて使いやすいタイプが望ましい。自分はカシオ製JF-S200電卓を使った。標準的で使いやすい。
試験会場ではA4メモ用紙×2、ボールペン×2 が渡される。着席したらボールペンが書けるかどうかチェックしよう。稀にインク切れで使えないことがある。
開始時刻になると、パソコンの置かれた個人席に案内される。あとは監督の指示に従い、パソコンを操作して試験開始だ。
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合否確認
ネット試験は、試験終了後すぐ合否が分かる。PC画面にスコアレポートが表示されるので、採点結果を確認しよう。その後、メモ用紙・ボールペンを返却して会場から退出する。
最初に案内があると思うが…レポート画面で「印刷」ボタンを押すと、スコアレポートをA4用紙に印刷して持ち帰れる。折れないようクリアファイル等を持参するべし。
スコアレポートにはQRコードの記載があり、読み取ると合格証書のPDFファイルを閲覧・DLできる。
もしスコアレポートを印刷し忘れた場合、CBT-Solutionsマイページで合格証書をDLしよう。受験申込時に使ったサイトである。これが結構分かりにくいので補足する。
まず、日商簿記検定マイページにアクセスする。申込時に登録したID・パスワードを入力してログインしよう*1。
マイページを開いたら、CBT申込 > 簿記3級受験申込 > 申込・受験履歴 と移動する。過去の受験履歴で「合格証書」ボタンを押す。合格証書が表示されるので「印刷」ボタンでPDFファイルを取得しよう*2。
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『簿記3級』勉強方法
『簿記3級』の勉強方法は超シンプル。問題を解いて解いて解きまくる。コレだけ。
まず最初に参考書を読み、仕訳ルール・基礎知識をインプット。その後、仕訳アプリ等で知識の定着を図りつつ、本試レベルの問題集・模擬試験を解きまくるのだ。
自分は毎日スマホ・問題集で仕訳を練習して、最終2〜3日で問題集を解きまくり…のべ2週間程度の勉強で合格できた。
ネット上では『簿記3級』の勉強時間は50~100時間!と書かれているが、正直そこまでかからない気がする。個人差はあると思うケド。
流石に一夜漬けは不可能だが…出題パターンはほぼ固定なので、しっかり対策すれば確実に合格できる。理論上は1週間未満の勉強でも全然イケると思った。
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参考書・無料サイトで仕訳を覚える!
問題集を解く前に、まず『簿記3級』試験範囲の履修・基礎のインプット作業が必要だ。
特に重要なのが仕訳。仕訳を制する者は簿記を制する。それほどまでに仕訳ルールの把握は大事である。
自分も『簿記3級』受験にあたり、色々な教材を探した。一番良かったのが「イメージで攻略 わかる!受かる‼ 日商簿記3級」という参考書。
イメージで攻略 わかる!受かる‼日商簿記3級
下の写真を見れば分かると思う。カラフルな挿絵付き参考書で、文章も平易で読みやすい。初学者でもスムーズに読み解ける良書だ。
巻末には問題集もあり、仕訳のルール把握・実践学習を同時に行える。この本を1〜2周ほど読み込めば、十分な基礎知識が身につくハズだ。
もう1つオススメなのが「StudyPro」というWebサイト。完全無料で使える『簿記3級』学習サイトである。
こちらもペンギンのキャラを使った可愛い挿絵付き。解説文も丁寧で内容が頭にスッと入る。解説の直後には小問があり、知識の定着化も図れる。
スマホで閲覧可能なサイトで、スキマ時間にサクッと勉強できるのが嬉しい。会員登録すると学習履歴の保存も可能。完全無料。使って損は無い。
「StudyPro」で学習する場合、仕訳ルール以外の解説 (期中仕訳・期末の決算処理など) はあんま役に立たない点にだけ注意しよう。
この辺はスマホだけで学習するのは難しく、実際に手を動かして体感で覚える必要がある。「StudyPro」だけでは限界があるので、後述の問題集を買って演習すべし。
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問題集を解きまくって演習!
簿記3級の基礎・仕訳ルールを把握したら、問題集を解きまくって試験対策を行う。最も重要なフェーズと言える。
自分が使用したのは「みんなが欲しかった! 簿記の問題集 日商3級」という問題集。簿記3級対策の定番。超王道の問題集だ。
みんなが欲しかった!簿記の問題集 日商3級
この問題集には、本番試験レベルの厳選された良問が多数掲載されている。この本を2〜3周して全問正解できるようにすれば合格は堅い。
最初は難しくて手を出しづらいかもだが、解説をしっかり読み、繰り返し解いてみると必ず原理を理解できるハズ。分からない箇所を着実に潰していこう。
この問題集のメリットは他にもある。最強の購入特典×2 が用意されているのだ*3。
特典その1。スマホで解けるWeb仕訳アプリ。
ジャンル別に解くモードと、ランダム出題モードの2種類がある。このアプリをスキマ時間に何度も解きまくれば、仕訳ルールが自然と身につく。
Webブラウザでしか開けないのが難点だが、問題の質が良いので超オススメだ。
特典その2。ネット試験を再現したWeb模擬試験。
これが良い。メチャクチャに良い。画面構成がマジで本番試験とよく似ている。かなり再現度の高い演習ができるので、ネット試験を検討してる受験者は絶対使った方が良い。
ネット試験は操作が独特で、ある程度の慣れが必要だ。紙の問題集しかやってない状態で本番に臨むと確実に詰む。
なので、事前にこのWeb試験を使って練習しておこう。スマホ・タブレットでも表示可能だが…本番同様、PC環境での演習を推奨する。
あと、問題集巻末には紙の模擬試験 (全3回) も用意されている。必須ではないが、こちらも余裕があれば解いておきたい。
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『簿記3級 ネット試験』攻略法
『簿記3級 ネット試験』を効率的に解くためのTIPSを記載しておく。
まず大問の解き方について。『簿記3級』は3つの大問があるが、時間配分は以下のようにすると良い。
- 第1問「仕訳問題」(45点):15分
- 第2問「補助簿・勘定記入等」(20点):10分
- 第3問「精算表・財務諸表」(35点):25分
第1問・第3問は配点が高いので、なるべく多めに時間をかけて全問正解を目指す。完答できれば80点。コイツらだけで『簿記3級』合格ラインに達する。
第2問は優先度が低く、あんまり時間をかけなくて良い。チラ見して簡単そうな問題 (語句の穴埋めなど) があれば、確実に正答しておく。
大問を解く時は 第1問 → 第3問 → 第2問 の順番でやると一番安定する。配点が高い順。模擬試験を2~3回ほどやって試してみると、要領が掴めるハズだ。
もう1点。先にも解説した通り、PCで受験するネット試験はある程度の慣れが必要だ。
紙のテストとは異なり問題用紙に直接メモできず、計算ミスの発生率が高い。PC画面を見ながら電卓を叩き、手元のメモを見て正確な数値を入力する練習が必須だ。
紙の問題集・模擬試験だけ受けていると確実に詰むので、前述のWeb試験を使って入念に対策しよう。
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最後に
以上、私的『日商簿記3級 ネット試験』勉強方法まとめ記事でした。
実は自分は…何年か前に『簿記3級』を受けようとしていた時期があった。
当時は若く無気力で、何もせずニート同然の自堕落過ぎる生活を送っていた。そんな自分の惨状を見かねた親が「資格試験でも受けてみたら?例えば簿記とか…」とアドバイスを寄越してきた。
無論、自分にそんな勉強をする覇気など無く…適当に参考書を読んでみたりしたものの、ついぞ受験することはなかった。昔の自分の無気力っぷりはあまりに酷く、当時を思い出す度、暗い気持ちになってしまう。
なので今回、過去の借金返済・リベンジができたことに安堵している。喉の奥のつっかえが消えたというか…長いこと放置してた宿題を終わらせたというか…そんな気分である。合格して良かったな~という感想。
これから受験する人も是非、一発合格を勝ち取って欲しい!