今やレトロハードの仲間入りを果たした、ゲームボーイアドバンス (GBA)。
発売から20年が経った今なお、時たま実機で遊びたい!という衝動に駆られる。
Switch等のハードでも移植タイトルは遊べるが…それでもGBA実機ならではの魅力があるように感じる。
コンパクトで持ち運びやすく、まだ他ハードに移植されてないオリジナルGBAソフトを遊ぶ際には実機が必須。なかなか手放せない。
ただ…GBA実機には現代基準で見て微妙だな〜と思うデメリットもいくつかある。
その1つが電源周り。電池交換式で単三電池×2が必要。
電池が切れたら都度交換しなくてはならない。自分は長年エネループ (充電池) で頑張ってきたが…思った以上に電池交換の頻度が多く、結構めんどくさかった。
なので…思い切ってGBAをType-C充電式に改造してみた。
市販の専用キットを買って、それをGBA実機に組み込むだけ。ハンダ付け不要。メチャクチャ簡単で驚いた。もっと早くやっとけば良かった…
GBAバッテリーをType-C化した
— わたりどりぃ❄️C103 土曜東5ピ53b (@Wata_Ridley) 2023年12月16日
これでゼロミッションが遊びやすくなる pic.twitter.com/mCdAHxmghi
今回の記事ではGBAバッテリーType-C化の詳細手順について、備忘も兼ねて書き残しておきたい。今でもGBAで遊んでるレトロゲーム愛好家の方々に超オススメである。
用意するもの
GBA本体
まず必要なのがGBA本体。任天堂純正品を用意する。
今回、自分が使用したGBA本体はこちら。ディスプレイをIPS液晶に交換した改造品である。
しかし、バッテリーは未改造・電池交換式のままだった。
最初はあまり気にしてなかったが…長く使い続けてると電池交換が煩わしいことに気づく。IPS液晶は思った以上に電力消費が大きく、3~4時間ほどゲームを遊んだだけで、すぐ電池が無くなってしまう。
なので今回、充電式・大容量のバッテリーに交換しよう!と思い立った次第。充電式に改造すれば、電池交換の手間は省けるハズ。
充電式リチウムポリマー電池
今回の目玉その1。充電式リチウムポリマー電池。
一般的な充電池と比べて電圧・充電容量が大きい。これをGBA実機に組み込むのだ。下記スペックの製品を用意する。
- 製品サイズ: 103048
- コネクタ: ACH-2P (圧着コネクタ)
- 電圧: 3.7V
- 容量: 1,500 ~ 1,700mAh
今回、自分はヒミツノバ通販ショップで「リチウムポリマー電池 (1,700mAh)」を購入した。Amazon等でも似たタイプが売られている。
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イナズマバッテリー基盤
今回の目玉その2。GBA実機とリチウムポリマー電池を繋ぎ、イイ感じに電力供給を行うための専用基盤である。
自分は今回、ヒミツノバで取り扱っている「イナズマバッテリー v1.0 ブラック」を使用した。Amazon等の外部ネット通販サイトでも購入できる。
見ての通り、基盤下部にType-Cコネクタが付いていて、充電する時はここにケーブルを繋ぐ。基盤のType-C給電でリチウムポリマー電池を充電 → GBAに電力供給 という仕組みだ。
※ちなみに2024年現在、諸々の不具合が修正された改良基盤「v2.1」も販売されている。特にコダワリが無ければ、そちらを使うのが無難だと思う。
ニッパー/デザインナイフ
今回のType-C化改造では、GBA裏面の一部パーツを削り取る必要がある。この作業で、ニッパーが必須となる。
ニッパーは何でもOKだが、ミニサイズで小回りが利くものが良い。タミヤ製のプラモデル用薄刃ニッパーが最適だろう。
あと、デザインナイフ・紙やすり等の工具があると便利。
ニッパーで不要パーツを除去した後、出っ張った箇所を削り取る等、細かな調整を行うときに使う。ネット通販・百均で購入できる。
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GBAバッテリーカバー
これは余裕があれば用意する。USB Type-C用の穴を開けたバッテリーカバーである。
当然ながら、GBA既製品にType-C充電用の穴は無い。
Type-Cバッテリーを取り付ける場合、GBA裏面に穴をこじ開けるか、充電する時だけカバーを外すか。どちらかで頑張る必要がある。
充電時に毎回カバーを開けるのはしんどいので、最初から穴が開いたヤツを使った方が断然効率が良いと思う。これもヒミツノバで加工品が販売されている。
腕に自信がある人なら、電動ドリルを使って自力で加工するのもアリだろう。
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改造手順
ここからはGBAバッテリーType-C化の詳細手順を解説する。
まず、GBA裏面のバッテリーカバーを外す。ここに単三電池×2を入れるボックスがある。
今は充電式が主流じゃが、昔は電池を大量に買って、切れたら都度交換してたのじゃよ…(老人)
このバッテリーボックス内部に、今回購入したリチウムポリマー電池&基盤をセットする。
ただし…任天堂純正GBA本体を使う場合、邪魔な出っ張りがある。この邪魔な出っ張りを削り取るのだ。
不要部分は2箇所。単三電池をセットする時の仕切り板。どちらもプラスチック製。ニッパーを使えば簡単に破壊・除去できる。
上の写真のように、ニッパーの刃を密着させて、軽く力を入れれば簡単にパキッと壊せる。
ニッパーで不要部分を除去する際、細かなバリが残存する可能性がある。デザインナイフ/紙やすりでバリを削り取り、平坦になるよう微調整すれば良い。
全部取り除くと↑のような感じになる。リチウムポリマー電池&基盤をここに入れるので、そのスペースが確保できていればOK。多少の穴ぼこは気にするな!
今回購入したリチウムポリマー電池と、イナズマバッテリー基盤を用意する。
上の写真のように、リチウムポリマー電池から伸びている配線を基盤のコネクタに接続。凹凸が噛み合うよう押し付ければ、簡単に繋げられる。
手順2で用意したリチウムポリマー電池&基盤を、バッテリーボックス内部に取り付ける。若干コツが要る。
まず最初に、リチウムポリマー電池をセットする。
手順1で不要部分を除去してるので、問題なくセットできるハズ。配線が千切れないよう注意する。
次にリチウムポリマー電池の上に覆い被さるような形で、基盤をセットする。
基盤の側面には金具がある。この金具がバッテリーボックス電池端子に接触するよう、位置調整しよう。上からスッと挿し込む感じでセットする。
最後にカバーで蓋をすれば、改造完了。
穴が開いた加工済みカバーを使う場合、穴の中からType-C端子が顔を出すよう位置調整する。こうすると、カバーを外さず直接ケーブルを接続可能になるぞ!
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最後に
以上、GBAバッテリーType-C化手順まとめ記事でした。
今回の改造のおかげで、自分のGBAプレイ環境は超快適になった。
IPS液晶画面・Type-C充電バッテリーが合わさり最強に思える。マジで最近の携帯ゲーム機と遜色ない遊び心地。改造手順も超簡単。
長期的視点で見ると本当に良い投資ができたように思う。GBA実機でゲームを遊ぶレトロゲーマー諸兄には、掛値なしで超オススメ。
(まぁ、マジでGBA大好きな人は既にやってそうな気もするけど…)
あと自分のGBAで気になるのは…音質の問題くらいだろうか。イヤホン付けてプレイすると、(気にならない程度ではあるが) 若干ノイズが入るのである。
嬉しいことに、この音質問題を解消できる市販の改造キットも存在する。
ハンダ付けが必須っぽいが、比較的簡単に改造できるらしい。その気になったらGBA音質向上改造にも手を出してみたい。