ハーイ、ゲームボーイ。全世界で人気抜群のアクションソフト『メトロイド』シリーズについて、引き続きプレゼンしていこう。後編となる今回は、時系列順で『プライム』シリーズの後に続くタイトルを紹介したい。
今回メインで紹介する『2Dメトロイド』シリーズは、伝統的な2D探索アクション。広大なマップを行き来して、アイテム取得でサムスを強化していく…といった "探索" 重視なゲーム性が魅力だ。
また、時系列には含まれないがイチオシの作品についても、本記事の後半で「番外編」で取り上げている。あわせて読んで欲しい。
※前回の内容については以下を参照。『漫画版メトロイド』~『メトロイドプライム』シリーズを、ストーリー時系列順に紹介している。
時系列順で見る『メトロイド』シリーズ【後編】
メトロイドⅡ RETURN OF SAMUS (1992年)
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
孤独感 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード | ・GBソフト ・3DS バーチャルコンソール |
1992年にゲームボーイで発売された『メトロイド』シリーズ第2作目。前作『メトロイド』の不親切な仕様・操作性の改善や、様々な新アクションの追加によって、より遊びやすい続編に仕上がっている。
タイトルから分かる通り、シリーズ本編の <エピソード2> という位置付けで、『メトロイド / ゼロミッション』の続きの話になる。
※現在は番外編の『メトロイドプライム』シリーズが間に差し込まれ、何だか複雑なことになっているが…あくまで本作が<エピソード2>である。
本作でサムスが与えられたミッションは、浮遊生命体「メトロイド」を殲滅すること。
冒険の舞台となる「惑星SR388」は、メトロイドの巣窟みたいなヤベー場所。他作品では最終エリアなどでしか出なかったメトロイドが、あちこちで出現する。
さらに、このゲームではメトロイドが脱皮して、より強力な形態に進化していく。最初はクラゲみたいな姿なのだが…最終的に恐竜みたいな巨大生物へと成長するのだ。劇的ビフォーアフターってレベルじゃねぇぞ!
しかも…このメトロイドがメチャクチャ強い。
割とモッサリした動きのサムスに対して、メトロイド達はやたら機敏に動き、強烈な攻撃を次々と繰り出してくる。情け無用。
しかもコイツら、何の前触れもなく唐突に現れるのでタチが悪い。
このゲームでは、ほぼ無音の静まり返ったエリアを探索する場面が多いのだが…メトロイドは突然、その静寂を破ってプレイヤーに襲いかかる。登場時の「デケデーン!」という効果音が心臓に悪く、下手なホラーゲームよりもビビるのだ。
ホントに全年齢対象なんですかねコレ。
若干のホラー要素はあるものの、基本的にはたった1人で宇宙空間を延々と彷徨うような、薄暗い深海を泳いで進むような、じんわりとした孤独感を味わえるゲームだ。この冷めた空気感に心地よさを覚える人は、結構多いんじゃないかと思う。
さらにエンディングでは、続編で重要な役割を果たすベビーメトロイドとの出逢いが描かれているので、『メトロイド』シリーズを楽しみたいならプレイ必須。このエンディングの解放感がまた良いんですよね。個人的にシリーズで1番好きなタイトルだ。
昔のゲームだが、程よい難易度で遊びやすい。中古ソフトだと比較的安価で入手できるし、3DSバーチャルコンソールでも絶賛配信中。後述の『サムスリターンズ』と一緒に遊んで欲しい。
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メトロイド サムスリターンズ (3DS | 2017年)
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
アクション | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード | ・ニンテンドー3DS |
2017年に発売されたシリーズ最新作。2004年発売の『ゼロミッション』以来、約13年ぶりとなる2D探索型『メトロイド』であり、先に紹介した『メトロイドⅡ』のフルリメイク作品になる。
惑星SR388のメトロイドを倒す!という <エピソード2> のストーリー、大まかなステージ構成などは、リメイク元の『メトロイドⅡ』と共通だが…現行シリーズの設定・世界観に合わせて、かなり大胆なアレンジが施されている。もはや『Ⅱ』とは別物だ。
システム・演出が重点的に強化されていて、特にベビーメトロイドとの出逢いのシーンは、リメイク元以上に印象的なシーンに昇華されている。
エンディングの結末も全然違うので、『Ⅱ』をプレイ済みでも新鮮な気持ちで遊べるのがステキ。両方遊んでみて、違いを楽しむのがオススメだ。
本作の注目すべきポイントは、強化されたサムスのアクションに尽きる。
序盤から使える「メレーカウンター」は、敵の突進攻撃を弾き返し、気絶した相手に強烈な反撃を繰り出すカウンターアタックだ。パリィ的な。
これまでの『メトロイド』では、敵の攻撃をガードする手段が無く、ひたすら避ける必要があった。だが本作では、メレーカウンターのおかげで、積極的に攻めていくスタイルを貫ける。カウンターが上手く決まった時の快感はひとしおで、爽快感がスゴイ。
新たに追加された「エイオンアビリティ」も忘れてはならない。MPに相当する「エイオン」を消費して発動する特殊能力だ。
バリアで敵の攻撃を完全無効化する「ライトニングアーマー」や、周囲の時間の流れを遅くする「フェイズドリフト」など、使える能力は全4種類。どのアビリティもチート級の性能で、高いポテンシャルを秘めている。積極的に活用すべし。
だがしかし、サムスのパワーアップに合わせて敵キャラも大幅に強化されているため、ゲーム難易度はかなり高い。
特に討伐対象の「メトロイド」は、最低難易度のノーマルモードでも、即死レベルの攻撃を容赦なく繰り出してくる。行動パターンを把握して、持ちうる武器・アクションをフル活用しなければ、おおよそ勝ち目はない。
結果として敵の攻撃パターン・対処法を何回も死にまくって覚える "死にゲー" と化しているのは、評価が分かれるポイントかも。歯応えのある難易度なので、アクションゲームに自信がある諸兄には、是非とも挑戦してほしい。
あと、シリーズ恒例のクリア特典として、本作では「チョウゾメモリー」というギャラリーモードが用意されている。ゲーム進行に合わせてアートが解放され、サムスが来る前にSR388で起きた、ある事件の一端を知ることができる。ギャルゲのCG回収みたいだな
このチョウゾメモリーなのだが……まぁうん、多くは語るまい。
ただ1つ自分の口から言えるのは、"エンディングまで泣くんじゃない" …ではなく "エンディング後も気を抜くな"ということだ。真相は、皆さんの目で確かめて欲しい。
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スーパーメトロイド (SFC | 1994年)
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
探索自由度 | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード | ・Wii U バーチャルコンソール ・New 3DS バーチャルコンソール ・Nintendo Switch Online など |
1994年にスーパーファミコンで発売された『メトロイド』シリーズ第3弾。
ファンの間で絶大な人気を誇るビッグタイトルで、シリーズ最高傑作と評する声も多い。『メトロイド』と言えばコレ!という超名作ゲームだ。
本編ストーリーの <エピソード3> にあたり、先に紹介した『メトロイドⅡ / サムスリターンズ』の続きの物語が展開される。ストーリー内容はオープニング映像などで軽く説明されるが…若干分かりづらいので、以下にダイジェストを書いてみた。
『メトロイド / ゼロミッション』<エピソード1> で、サムスは惑星ゼーベスに潜入。スペースパイレーツの要塞基地を破壊して、浮遊生命体「メトロイド」が兵器利用される事態を見事に阻止した。
さらに、パイレーツが壊滅した後の『Ⅱ / サムスリターンズ』<エピソード2> では、惑星SR388に生息するメトロイドの殲滅に成功。だがサムスは、彼女の目の前で誕生した「ベビーメトロイド」だけは、殺すことができなかった。サムスは保護したベビーを持ち帰り、研究サンプルとして宇宙科学アカデミーに提供する。
最後のメトロイドが捕らえられ、銀河に平和が訪れたかに思えた。だが、それも長くは続かなかった。復活を遂げたスペースパイレーツがアカデミーを襲撃、ベビーを奪い去って行ったのだ。
ベビーを取り戻すため、サムスはパイレーツを追跡、惑星ゼーベスの地に降り立つのであった。サムスとパイレーツの戦いが、再び幕を開ける…!
本作が長年愛されている理由は、その探索自由度の高さにある。
冒険の舞台となるゼーベスは、各エリアが複雑に組み合わさっていて、サムスを強化するアイテムがあちこちに隠されている。プレイヤーは装備やマップを頼りに、ステージ全体を入念に探索することになるのだ。
攻略ルートの構築など、すべての判断がプレイヤーの主体性に委ねられているため、探索のやり甲斐・楽しさはシリーズ随一と言える。ほぼノーヒントなのだが、じっくり探索すれば絶対クリアできるよう設計されている点も素晴らしい。
ゲームに慣れた2周目以降も、プレイヤーのやる気次第で、幅広いゲームプレイが楽しめるのが、本作の魅力。サムスの豊富なアクションを駆使すれば、多彩なルート開拓が実現できる。
現在でも「タイムアタック」「縛りプレイ」などといった、ひと工夫したゲームプレイに挑戦するゲーマーが後を絶たない。一度ゲームをクリアした後でも、繰り返し何度も遊べるのだ。コスパ面でも最強な名作である。
さらに…熱心なファンの研究によって、非公式のバグ技・テクニックが数多く発見されている。本来はゲーム終盤とかで取るアイテムを早い段階で先行取得したり、避けられないボス戦をスルーしたりする "シーケンスブレイク" が達成可能。コレがまた楽しいのだ。
昔のゲームだが、様々なハードに移植されているので、今でも比較的入手しやすい。さらに、Nintendo Switch Onlineに入会すれば、タダ同然の値段で『スーパーメトロイド』を遊び倒せる。Switchを持ってる人は是非遊ぼう。スパメトはいいぞ…
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メトロイド アザーエム (Wii | 2010年)
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
アクション | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード | ・Wiiソフト ・Wii U ダウンロード版 |
2010年にWiiで発売された『メトロイド』シリーズ作品。任天堂とTeam Ninja (コーエーテクモゲームス) が共同開発したタイトルで、これまでには無かった刺激を楽しめる意欲作だ。
ストーリー時系列では『スーパーメトロイド』と『フュージョン』の中間に当たり、『メトロイド』シリーズ本編の <エピソード3.5> に相当するストーリーが繰り広げられる。
救難信号をキャッチして、辺境の宇宙に浮かぶ研究施設「ボトルシップ」に潜入したサムスは、かつての上官「アダム・マルコビッチ」と再会を果たす。アダム達と行動を共にしながら、サムスは過去の出来事を思い出す…といった筋書きだ。
※ちなみに「アダム」は、シリーズでは割と重要な人物で…『漫画版メトロイド』や『フュージョン』などにも登場している。『Other M』を遊ぶ前に、この2作品を押さえておくのがオススメ。
『Other M』は他のシリーズ作品とは違い、「最新技術を使ったファミコンゲーム」というコンセプトのもと、Wiiリモコン1本だけで遊べるよう設計されている。
通常はリモコンを横持ちにした「ファミコンスタイル」でゲームを進める。十字ボタンで移動、2ボタンでジャンプ…といった具合に、基本操作は非常にシンプル。旧来のアクションゲームと同じ感覚でプレイできる。
基本攻撃はビームだが…条件が揃えば、格好良いアクションを繰り出すことも可能だ。
敵の攻撃を回避する「センスムーブ」や、ダウンした敵に強烈な一撃をお見舞いする「リーサルストライク」など、スタイリッシュな必殺技を、カンタン操作で発動できる。他作品には無い痛快なアクションで、なかなかに楽しい。
また、Wiiリモコンを縦持ちにして画面に向けると「サーチングビュー」が発動。『メトロイドプライム』のように、サムスの視点で周囲を見渡して、怪しい場所をサーチすることが可能で、探索や戦闘で活用できる。
原点回帰的なカンタン操作、オートアクションで爽快な必殺技をブチ込める新システム、主観視点の「サーチングビュー」など、過去作品の良いとこどりを目指した作風が見て取れる。それまでの歴代シリーズ集大成!とでも言うべきタイトルだ。
『Other M』のもう1つの特徴としては、ムービー演出に注力している点が挙げられる。
プロデューサーの坂本賀勇が長年 構想していた「物語を辿りながら進めるアクションゲーム」を見事に実現。ゲーム進行に合わせてシームレスに映像が差し込まれ、ストーリーを盛り上げてくれる。
白組・D-Rocketsなど、国内有数の映像会社が共同製作したムービーは、Wiiのゲームとは思えない驚異の完成度。劇場版『メトロイド』と言っても良いレベルの映像美で、初めて見たときはスゲェ感動した。二層ディスクは伊達じゃない。
…このように様々な魅力が詰まったゲームなのだが、『メトロイド』シリーズの中ではかなり異色な作品なので、オススメしづらいのが難点。
特にストーリー演出に関しては、ファンの間でも賛否両論 (否多め) といった感じ。従来の『メトロイド』がストイックな探索アクションゲームだったのに対し、『Other M』はストーリー偏重・ムービー過多な傾向にあることが、評価を二分する大きな要因となっている。
個人的には結構楽しめたし、たまにはこういう『メトロイド』もアリじゃない?という印象。即死要素が多いのがイヤだったが…基本的には良作ゲームだと思う。サムスさんおっぱい大きくて可愛いし
ちなみに、2018年の冬に『METROID Other M』の商標が任天堂によって更新されたことが判明している。
どうやら「ビデオゲームプログラム」「ダウンロードソフト」「スマートフォン向けゲーム」などのジャンルで商標更新されているらしい。近い将来、Switchなどで『アザーエム』を遊べる日が来るかもしれない。今後の動向に注目しよう。
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メトロイド フュージョン (GBA | 2003年)
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
ストーリー | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード | ・GBAソフト ・Wii U バーチャルコンソール など |
2003年にゲームボーイアドバンスで発売された『メトロイド』シリーズ第4作目。
【前編】で紹介した『メトロイドプライム』と同時期にリリースされたことで有名。二大タイトルの同時発表に、当時の『メトロイド』界隈は大盛況だったのだ。
先に紹介した『スーパーメトロイド』の続編で、『メトロイド』シリーズ本編の <エピソード4> を描いた、シリーズ時系列の最後に当たるタイトルとなっている。『フュージョン』以降の物語は、現時点では未だ語られていない。『メトロイド5』はまだですか…
このゲームで目を引くのが、パッケージに描かれたサムスの "異様な姿" だろう。いつもの肩幅ガッチリなパワードスーツから一転、スリムでバイオな青色のスーツにイメチェンしている。
コレは「フュージョンスーツ」と呼ばれる新規造型のスーツで、本作のストーリー展開に大きく関係している。
ゲームの冒頭で、サムスは <エピソード2>で探索した「惑星SR388」に再び降り立ち、メトロイド絶滅後の環境調査に携わる。
だがこの調査の際、サムスは謎の生命体に襲われてしまう。体内に入り込んだ生命体は急激に増殖。サムスはパワードスーツを着たまま、意識不明の重体に陥ってしまった。
緊急手術の成功で一命を取り留めたものの、手術の過程でスーツの装甲がドンドン剥ぎ取られ、最終的にあの貧相な姿 (フュージョンスーツ) に変わり果ててしまったのだ。ホント悲惨な目に遭ってばっかだなこの人…
サムスを襲った生命体は「X (エックス)」と呼ばれ、他の生物に寄生・殺害するヤベー奴だということが劇中で判明するのだが…大量の宇宙生物が保管された研究所に、あろうことか、この「X」が侵入してしまったのだ。
サムスは「X」を根絶するため、事件の現場となった研究所へと急ぐ…というのが本作の筋書き。SFパニック映画のような緊迫感のあるシナリオが展開され、終始ハラハラすること間違いなし。
『フュージョン』は超久々に発売された『メトロイド』だったので、新規ファン・低年齢層のユーザーが気軽に遊べるよう、様々な工夫が凝らしてある。
例えば、これまでの『メトロイド』では探索が難しく、途中で目標を見失ってしまうプレイヤーも多かった。
これを受けて『フュージョン』では、ステージ構成がほぼ1本道となり、ナビゲーションで指示を受けてから次の目的地に向かうシステムに変更。ゲームの目的を見失わず、迷わずスムーズに遊ぶことができる。
他のタイトルと比べると探索自由度は低め。しかし、アイテムを駆使して隠し通路を探り当てる、伝統的な "探索" の楽しさは健在だ。ゲームの難易度設定も可能で、初心者~上級者まで幅広く遊べる。
『フュージョン』を語る上でもう1つ欠かせないのは、サムスの宿敵「SA-X」の存在だろう。
本作の敵「X」は、生物の外見・能力を正確にコピーする!というヤバい特性を持っている。そんな「X」が、サムスの遺伝子情報をコピーした姿が「SA-X」だ。
サムスの偽物…とでも言うべき存在なのだが、全盛期のサムスの装備・能力を完コピしていてクッソ強い。偽物なのに。
一方、プレイヤーが操作する本物のサムスは、病み上がりで超絶弱体化しているため、SA-Xに出会ったときには基本的に何もできず、ただ逃げることしかできない。
だがSA-Xは、逃げ惑うサムス (=プレイヤー) を殺意全開でどこまでも追いかけてくるのだ。これがトラウマ級の怖さで、初見プレイ時には常に心臓バクバクで死ぬかと思った。マジでやめてくれ!
歴代『2Dメトロイド』の伝統を適度に引継ぎつつ、本作独自のゲーム性も開拓することに成功した、シリーズ屈指の名作と言えるだろう。
操作性・システムともに良好なので、初めて『メトロイド』を遊ぶ人にも、気兼ねなくオススメできる。Wii Uでもプレイ可能なので、気になった人は是非。
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番外編
『メトロイド』は世界中で愛される大人気ゲームなので、当然ながら多数の派生作品が存在する。次項では、ストーリー時系列には含まれないが、見逃せない『メトロイド』シリーズ作品をピックアップしていきたい。
メトロイドプライム ピンボール (DS | 2006年)
操作性・UI | ★★★★★ |
---|---|
入手しやすさ | ★★★★★ |
難易度 | ★★★★★ |
やり込み要素 | ★★★★★ |
オススメ度 | ★★★★★ |
対応ハード | ・ニンテンドーDS のみ |
2006年に発売されたニンテンドーDS専用ソフトで、過去にGCで発売された『メトロイドプライム』を題材にしたピンボールゲーム。ミニゲーム的な要素が強いため、ストーリー時系列には組み込まれていない。
『メトロイド』のピンボール?何じゃそりゃ?って感じだが…コレが意外と相性バツグンで面白いのだ。理由を説明しよう。
まず第一に、サムスは「モーフボール能力」で球体に変身できるので、ボールになっても全く違和感が無い。
マリオやピカチュウなど、他の任天堂キャラクターには無いアイデンティティだろう。ボール状態でのアクションも豊富で、ピンボールにはこの上なく最適なキャラなのだ。
ピンボールゲームとしての完成度も極めて高い。
サムス (ボール状態) をフリッパーで弾いてスコアを稼ぎ、全12個の「アーティファクト」を回収。最終テーブルのラスボスを倒すことがクリア条件なのだが…これが一筋縄ではいかない。テーブル上にいる敵キャラが、サムスを積極的に攻撃して妨害するからだ。
これに対してサムス側も、ボール状態で突進したり、ボム・ミサイルなどの武器で応戦可能。『メトロイドプライム』の諸要素を上手に落とし込むことで、アクション要素てんこ盛りのピンボールゲームとして成立させているのだ。意外とハマる。
そんな感じで超良作な『メトロイドプライム ピンボール』だが…DS以外のハードでは未配信。中古ソフトの価格も徐々に高騰していて、地味に入手難易度が上がりつつある。ゲームの面白さは保証するので、気になる人は是非プレイしてみよう!
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メトロイド サムス&ジョイ (全3巻 | 2002年)
2002年頃、少年漫画雑誌『コミックボンボン』で連載されていた、任天堂監修のコミカライズ作品。『フュージョン』『プライム』の発売に合わせて始動した連載企画で、作者は漫画版『ロックマン』などを手掛けた、出月こーじ先生。
時系列に関しては、冒頭で「サムスがゼーベスの宇宙海賊を壊滅させた後の話」とだけ説明されている。シリーズ正史でない外伝作品っぽいので、今回は「番外編」の項目で紹介することにした。本編との繋がりは薄い。
※出月こーじ先生の回答によると、『スーパーメトロイド』と『フュージョン』の間の物語として本作を描いたそうだ。『Otehr M』などと同じ時系列…ということになる。
前回の記事で紹介した『漫画版メトロイド』は、シリアス一辺倒なストーリーだったが…『サムス&ジョイ』は実に少年漫画らしい、単純明快・勧善懲悪の王道的ストーリーとなっている。あらすじは大体こんな感じ。
辺境の惑星に住む「ジョイ」は、亡き父親のような強い戦士に憧れる少年で、村の住人に温かく見守られながら平和な日々を過ごしていた。
だがそんなある日、ジョイの住む惑星を「宇宙海賊ドラグード」が襲撃。村の住人を皆殺しにしようとする海賊に対して、ジョイは勇敢にも抵抗を試みるが、全く歯が立たず、逆に絶体絶命のピンチに陥ってしまう。
そこへ、銀河最強の戦士「サムス・アラン」が颯爽と登場。サムスは村を襲った宇宙海賊を一瞬で壊滅させ、住人を無事に救出する。
その一部始終を見て感動を覚えたジョイは、サムスのような強い戦士になることを夢見て、ドラグードの討伐に向かうサムスの背中を追いかけていく…
漫画の主人公「ジョイ」は、この漫画オリジナルのキャラクター。
原作付きの漫画で、何の前触れも無く新キャラを登場させるのは、非常にリスキーな行為かと思う。だが…その点『サムス&ジョイ』は全く気にならない。
まず、この漫画のサムスは、完全無欠のスーパーヒーローとして描写されている。
銀河最強の賞金稼ぎで、常に冷静沈着、どんなに困難なミッションも必ず成し遂げる。原作 主人公を徹底して持ち上げるスタイルは、漫画の最後までブレることはない。
そんな百戦錬磨のサムスを "師匠的ポジション" に据えた上で、主人公ジョイの成長を主軸とした冒険活劇が描かれる。
サムスに憧れるジョイは、至って普通の少年だ。亡き父親の遺した武器「フィールドナックル」を使いこなすが…最初は軽はずみな行動や、精神の未熟さが目立つ。
だが…死の恐怖や世の不条理に立ち向かうサムスの背中を見て、真の戦士として成長していく。2人の主人公を同時に活躍させ、お互いの良さを最大限 引き出すことに成功しているのだ。
原作設定の使い方も丁寧かつ秀逸。登場人物・バックグラウンドは、『メトロイド』の世界観を考慮して組み立てられている。
悪の巨大組織「ドミニオン」や、サムスをライバル視する賞金稼ぎなど、少年漫画らしからぬ物騒な敵役が、ストーリーを熱く盛り上げてくれるのだ。『メトロイド』のスピンオフ作品に相応しい名作漫画と言えよう。
だが残念なことに…『漫画版メトロイド』と同じく『サムス&ジョイ』も入手難易度がメチャ高い。中古本の在庫が年々減少傾向にあり、今では単行本を全巻集めることすら難しい状況だ。どうやって布教すりゃいいんだよ。
ついでに言うと、本作は途中から『メトロイドEX (エクストリーム)』という最終章に突入するのだが…何故かこの『メトロイドEX』 (全12話) が単行本化されていないのだ!
このため単行本の最終巻では、何だか尻切れトンボな終わり方に。きちんと完結してる作品にも関わらず、途中で打ち切られた漫画みたいになっているのだ。ヒド過ぎる…
単行本の続きが気になった自分は、古本屋・ネット通販で連載当時のボンボン本誌を血眼になってかき集め、何とか『メトロイドEX』全話を読了できた。
山あり谷ありの少年漫画らしい冒険譚で、漫画の幕引きにも大満足。あまりにも最高過ぎるコミカライズ作品だった。それだけに…書籍化されていないのが惜しまれる。
『サムス&ジョイ』と『メトロイドEX』を読んでみたい!というアナタ。是非とも復刊ドットコムに投票して欲しい。リーズナブルな値段で漫画を復刊してくれるサービスだ。
現状、ファンの熱心な宣伝が功を奏して得票数が徐々に増えているものの…まだ復刊には届いていない。任天堂から許可が下りないと復刊されないので、よほどの得票数が無ければ書籍化は難しいと思われる。
出月:
メトロイドEXの単行本が発行されるのは出月の夢です。復刊ドットコムという会社に今一度世に出したい本のリクエストが一定数集まると(約200〜300)メトロイドEXの単行本が世に出る可能性があります。 その為にファンの皆様にも呼びかけて協力を仰いだのです。(現在170票を超えるところまで来ました、後1歩です)
引用:Interview: Idzuki Kouji (Japanese Translation) | Shinesparkers
2004年当時にコミックボンボンで連載された『メトロイド』シリーズを原作とした出月の漫画作品《メトロイドEX》。単行本化されていませんが、復刊を目指し復刊ドットコムさんの元に皆さんからの投票が集まり、ついに先日160票に達しました!まだ復刊には遠いですが皆さんありがとう!( ^ω^ ) pic.twitter.com/dsWn65Qzzi
— 出月こーじ (@moonup777) 2019年2月11日
だがしかし…作者:出月こーじ先生も『メトロイドEX』の復刊を切望されているのだ。
長い道のりだが、やるしかないだろう。より多くの得票数を目指して、積極的に宣伝するほかない。そこの優しいアナタ!是非とも票を入れてほしい!!
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最後に
以上、時系列で見る『メトロイド』シリーズ【後編】でした。
シリーズの主要タイトルを時系列的に紹介してみた訳だが、やはり何というか、魅力を語り尽くすには文字数が足りない。なるべく簡略化したつもりだったのだが、全体的にボリューム増し増しで読みづらい記事になってしまった。本当に申し訳ない。
確実に言えることは…『メトロイド』は "よく練られた優良コンテンツ" ということだろう。
どのタイトルも完成度が高く、目標として掲げたコンセプトをしっかり具現化できているのがスゴイし、緻密かつ入念な設計のもとで精巧に作られている。世界中のゲームファンを楽しませている、最高のフランチャイズと言えよう。
最近は公式からの供給があまり無いが…任天堂は必ず近いうちに新作『メトロイド』を世に出してくれるハズ。俺は詳しいんだ。『メトロイド』シリーズの今後の展望に期待しよう。
—— サムス・アランの戦いは終わらない。メトロイド、オモロイド。