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【メトグッズ紹介】スーパーメトロイド "SOUND IN ACTION"【007】

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古今東西。様々なメトロイドグッズを淡々と紹介する【メトグッズ紹介】コーナー。

 

前回は海外シリアル食品の子供向けオマケカードKelloggs Nintendo Collectors Cardsを紹介。だいぶマニアックな記事だった。

 

www.wata-ridley.com

 

今回もマニアック路線。ジャンルは音楽。

 

任天堂公式サウンドトラックCDスーパーメトロイド "SOUND IN ACTION"である。

 

ファンならご存じかと思う。このCD…入手難易度の高いレアグッズだ。

 

メチャクチャ高い!!

 

年々価格が高騰。中古品でも 2~10万円で取引されている始末。たっか!!

 

何故こんなに価格高騰してるのか?その辺に関する考察もあわせてご紹介したい。

 

スーパーメトロイド "SOUND IN ACTION"

製品概要

任天堂公式サウンドトラックCD『スーパーメトロイド "SOUND IN ACTION"

 

発売は1994年6月22日。発売元はソニーミュージックレコード*1

 

スーパーメトロイド "SOUND IN ACTION"

 

SFCソフト『スーパーメトロイド』の関連楽曲を多数収録。ゲームBGMだけでなく、アレンジ曲や、シリーズ第1作『メトロイド』の楽曲も入ってる。至れり尽くせりな豪華サントラCDだ。

 

1990年代は音楽CD最盛期。

 

あらゆる楽曲がCD化され、売上も絶好調だった。ゲーム楽曲のCDも多数リリースされてたらしい。各ゲーム会社がこぞってCDを出していた様子。

 

画像引用:スーパマリオ64オリジナルサウンドトラック - 任天堂

 

任天堂もこの時期は珍しくSFC・NINTENDO64 等、自社ゲーム音楽CDのリリースに積極的だった。この流れに乗じて『スーパーメトロイド』もCD化されたのだろう。

 

冒頭でも述べた通り…このサントラCDの希少価値は高い

 

生産数が非常に少なかったのか。はたまた所有者が滅多に手放さないからなのか。市場に全然出回っておらず、年々価格が高騰しているのだ。

 

自分が見かけた最高価格 (買われてない)

 

当時の定価は2,800円。しかし…現在の取引価格はウン万円にまで膨れ上がっている。開封済み中古品でこの値段*2ひぇ~…

 

そんな超激レアな『スパメト "SOUND IN ACTION"』サントラCD。自分の所持してる現物写真と共に詳細を紐解いていく。

 

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パッケージ

パッケージ正面

 

パッケージ。大きさは一般的なCDジャケットと同程度。約12cm四方。

 

スパメト版サムスの格好良いアートワークが一面に描かた、シンプルな黒背景のCDジャケットだ。キャノンから放たれる光が眩い。

 

パッケージ裏面

 

パッケージ裏面。収録楽曲の詳細、価格等の情報が記載されている。

 

さりげなくメトロイドの公式イラストも載ってる。可愛い。

 

パッケージ開封

 

開封するとこんな感じ。特に言う事なし。ブックレットとCDが内包されている。

 

CD表面には収録BGMの曲名が放射状に刻まれている。中央にはうっすらとメトロイドの絵が浮かぶ。

 

収録楽曲・ブックレット詳細は後述する。その他 付属品がいくつかあるので、合わせて紹介しておく。

 

CD帯


付属品その1。紙製のCD帯

 

店頭販売時、CD外装に付けられ、その上からブリスター包装されていたと思われる。自分の所持物は開封済みだったので未確認。帯はパッケージに収められていた。

 

帯をよく見ると…同時期に発売された『ゼルダの伝説 サウンド&ドラマ』CDの宣伝も。

 

SFCソフト『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』のサントラCDである。"ドラマ" とあるが、ドラマCDではない。こちらも現在、価格が異常高騰している。

 

(どうしてゲームのサントラCDは高騰するんだろう…)

 

初回盤特典のステッカー

 

付属品その2。初回盤特典のステッカー

 

ジャケットと同じ絵柄。こちらも帯と同じくパッケージ内に収められていた。未使用品。

 

このステッカー自体もそこそこ貴重。オークションで単体販売されてるのを見かける。強気の価格設定してる出品者が多い印象。1万円とか。誰が買うんやろ…

 

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収録楽曲

CD表面・パッケージ裏面に楽曲が掲載されている

 

サントラCD収録楽曲は全38曲・約59分。ほぼモノラル音声。

 

前述の通り、CD表面・パッケージ裏面に楽曲詳細が記載されている。

 

『スーパーメトロイド』BGM (全24曲)

 

『スーパーメトロイド』BGMは全24曲。作曲は山本健誌さん・濱野美奈子さん。

 

音質は可もなく不可もなく。音量が小さめで若干ボヤけてる。たまに尺が足りなくて短くなってる曲も。BGM全部を網羅してる訳ではなく、一部BGMは未収録だったりする。

 

このサントラCDの良いところは…ゲーム本編で分からない固有名詞を曲名から推定できる点だろう。

 

例えばブリンスタ。植物が生い茂る上層と、マリーディアに隣接した下層エリアでBGMが2種類。

 

エリア名称がサントラCDで判明

 

サントラCDによると、曲名はそれぞれ「ブリンスタ植物密生エリア」「赤土湿地エリア」というらしい*3。確かにそれっぽい名称。

 

このエリア名称は公式攻略本でも明らかにされておらず、故に資料的価値が高いと言える。自分もメトペディア編集時に参考にした。

 

初代『メトロイド』BGM (全9曲)

 

シリーズ第1作・FDS版『メトロイド』のBGMも同時収録。全9曲。こちらもアイテム部屋の「静寂」など、一部BGMが未収録。作曲は田中宏和さん。

 

音質は…正直かなり微妙

 

『スパメト』BGM以上に音質が悪い。生音源ではなく、実機ゲームプレイの横で直に録音した音声らしい。アナログ過ぎる。

 

録音ミスなのか、たまに効果音が混入してたりする。サムスが歩いたりビームを撃つ時とかの音である。本当に公式製品なんですかねコレ…?

 

アレンジバージョン (全5曲)

 

そして…「アレンジバージョン」と銘打たれた完全新規のアレンジ楽曲。

 

このCD最大の目玉と言えるだろう。他のメディアで配信されてないレア楽曲だ。

 

『スパメト』アレンジが4曲、初代『メトロイド』アレンジが1曲。全5曲のアレンジが収録されている。編曲は伊藤ヨシユキ・伊藤真澄の2名が担当。

 

個人的には「スーパーメトロイドのテーマ」アレンジが大好き…!

 

山本健誌さんが仕事帰りにフッと思いついた、シリーズ屈指の名BGM。『スパメト』冒頭で流れる "サムスのテーマ" 。そのアレンジ曲である。

 

原曲の勇壮な旋律はそのままにシンセ感が増しており、宇宙の広大さとSFみを感じられる楽曲に。後発ゲーム作品のアレンジとはまた違った味わいで非常に良い。

 

(記事で曲を流せないのが残念極まりない…)

 

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付属ブックレット

内容の濃ゆいブックレット

 

CD付属のブックレット。レトロな雰囲気が漂う裏表紙。12ページ程度の超薄い小冊子なのだが…記載内容がマジで濃密なので是非ピックアップしたい。

 

まず、開発者コメント。『スパメト』開発スタッフに対する質問・回答が5つほど掲載されている。

 

スーパーメトロイド開発者コメント

 

質問1〜4の回答者が誰かは伏せられている。ディレクターの坂本賀勇さんが中心に回答したものではなかろうか(憶測)

 

質問の大半はサウンドおよび開発裏話に向けられている。

 

サウンドについては、初代『メトロイド』の良さを損なわず、重低音と女性コーラス風音源が響く、映画風の重厚な空気感を目指した旨が滔々と綴られてる。

 

開発裏話に関しては割と既知の情報が多い。ただ…1つ気になる質疑応答があったので取り上げる。シリーズ主人公「サムス・アラン」誕生の経緯についてだ。

 

4. サムス・アラン誕生の経緯を教えて下さい。

 

8年前、ディスク版のメトロイドの開発を始めた当初、その主人公は名前すら無い状態でした。我々がこの主人公に求めたものは、機敏な動作と優れた運動能力を持ち、あらゆる困難を勇気と知力と努力によって乗り越えていく、孤高の宇宙戦士というイメージでした。

 

あくまでもフィジカルに、目的に向かって突き進んでゆくその主人公に我々は、サムス・アランと名付けました

 

そしてそのサムスの正体はなんと…ギャップを狙った面も大きいですが、そのほうがイメージが膨らむんじゃないかな、とおもって決定しました。その当時からやはり、女性のほうが元気でしたから

 

「スーパーメトロイド "SOUND IN ACTION" 開発者コメント」一部抜粋

 

う~ん…大筋は間違ってないのだが…微妙に事実と異なる発言が見受けられる。サントラCD向けに格好つけた誇張表現なのか。

 

まず、サムスの名前について。開発当初に名前が無かったのは事実。

 

だが…孤高の宇宙戦士!困難を乗り越える!フィジカル!等といった格好良い理由で命名された訳では無い。

 

開発が死ぬほど忙しく…清武さんが適当に付けた仮名が知らん間に正式名称になってただけだ。参考にしたのはペレの本名

 

── で、サムス・アランの命名に関しては、サッカーの神様、ペレの本名が参考になったとか…。

 

清武 あははは。そうです。主人公の名前もつけようということになって、誰もが知らない名前にしたいなあということで、ペレの本名を参考に。もしかしたら間違えてたのかもしれないですけど…。

 

── どうやら間違えていたみたいですね(笑)。

 

坂本 清武は、ペレの本名はサムス・アラントスって言うから調べてみたら、ちょっと違ってたんよね。なんとか・アランテス・ナシメントとか言って、アランしか合っとらん(笑)。

 

清武 そのへんを参考にして、名前っぽくしたんですよ。ただ、サムス・アランがそのまま最終的にいくとは個人的にも思ってなかったんで、それくらいテキトーにつけました。誰かが途中で変えるやろうと思ってたら、そのまま変わらないで、発売されてしまったんですよね(笑)。

 

Nintendo DREAM WEB「やればやるほど ディスクシステム インタビュー」

 

サムスの正体が女性になった経緯も微妙に違う気がする。

 

やはり一番の理由は "ギャップを狙った "だろう。その当時女性が元気だったから~とかはおそらく関係無い。

 

ゲーム周回クリアのご褒美要素。コレをどうするか?となった時、開発者の1人が提案した「中の人を女性にする」案が面白くて即採用されたのだ。

 

── で、そのサムス・アランが女性だという設定は、どうやって生まれたんですか?

 

坂本 開発の終盤に入ってから、クリアする時間によって、エンディングのパターンを変えようという話になったんです。そこで速くクリアできた人には、ご褒美のようなものを用意しよう、ということになりまして・・・。

 

清武 「みんなが驚くものはなんや」と。すると、「サムスのヘルメットをとるのがいいんじゃない?」という話になったんです。

 

坂本 そしたらスタッフの1人が「女の人が出てきたら、みんなビックリするやろうな」と言ったんです。「あ、それおもしろいから、そうしよう!」ということで一瞬で決まったんですね。

 

清武 本当に一瞬で決まりましたね。あの当時は、ひとつのゲームを何度も遊んでくれるようなところがありましたので、これだけ速くクリアすれば、こんなご褒美がありますよ、ということで、サムスがヘルメットやスーツを脱いだりするという4つのパターンを、エンディングに入れることにしたんです。

「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」発売記念インタビュー 第5回「メトロイド篇」

 

ちなみに…この妙案を思いついた開発スタッフ誰なのか未だ不明である。

 

かなり画期的というか…天才の所業というか。シリーズの行末を決定付けた神アイディアだったんじゃないかと思うんですけどね。一体誰だったんだろう。

 

特別コラム「メトロイドのさらなる挑戦」

 

ブックレット最終ページには、特別コラム「メトロイドのさらなる挑戦」が掲載されている。結構長い。

 

個人的に…このコラムの最後の文章が本当に大好きなのだ。以下、一部抜粋である。

 

SFC版「ゼルダ」の凄さは、冒頭の5分でプレーヤーにその凄さを示唆してくれる。極端に言うと、他人のプレイ画面を見ただけでその凄さが伝わってしまうのである。画面の演出、キャラの動き、すべて明らかに凄いのである。

 

しかし「スーパーメトロイド」の画面からはそんな派手な、誰にでもすぐわかる凄さは伝わってこない。むしろ、暗く、マニアック風な画面が延々と続くのである。

 

では本当に見た通りの印象のゲームなのか?この問いは「サムスの真の姿を見た人」には愚問であろう。

 

これからプレイする人、まだプレイ途中の人、もしくは買おうかどうか迷っている人の為にアドバイスするなら、「メトロイド」シリーズは、ゲーム製作者からの大いなる挑戦状なのである。

 

操作テクニック、アイテムの発見、ダンジョンの制覇、ボスキャラ攻略、すべてが妥協を許さない製作者からの試練である。

 

「マリオ」や「ゼルダ」が、製作者が示した夢の世界を製作者の助けを借りながら一緒に楽しむゲームであるなら、「メトロイド」はプレイヤーを鍛え上げてくれるゲームである。

 

間違えないで欲しいのは、単なるプレイのウマイ、ヘタがすべてではない。アクションが苦手な人も頭脳と挑戦意欲を使えば必ず突破できるのである。

 

「メトロイド」のエンディングの先には、「これまで体験したことの無いゲームクリアの充実感」と「見違えるようにゲームプレイ能力が向上した自分」が待っているのである

 

「スーパーメトロイド "SOUND IN ACTION"「メトロイド」のさらなる挑戦」一部抜粋

 

くぅ~!!!わかる~!!!!

 

この文章コラム。『メトロイドシリーズ』に対する理解度が凄まじい。執筆者の方はマジでよく分かってらっしゃる。

 

『2Dメトロイド』は一見すると、特に派手さは無く、至って普通の横スクロールアクションにしか見えない。

 

しかし…探索重視のゲーム性。説明書無しでもゲーム性を理解できる秀逸なレベルデザイン。サムスの爽快で格好良いアクション。タイムアタックの楽しさ。

 

そうした要素の積み重ねが…他の追随を許さない『メトロイド』独自の魅力を醸成しており、我々プレイヤーを虜にしてやまないのだ。

 

これは1994年発売の『スーパーメトロイド』から、2021年発売の『メトロイド ドレッド』に至るまで、一貫して変わらない。

 

『2Dメトロイド』は時代に合わせて形を変容させつつ、我々プレイヤーに対して、絶対にクリアできる絶妙なハードル設定がなされた "挑戦状" を突き付けて来るのである。これを自力で突破する楽しさときたら無い。

 

次回はどんな "挑戦状" が来るのか。心待ちにしております…(しみじみ)

 

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総評

 

【オススメ度:★★★☆☆ 3.0】

 

以上、サントラCD『スーパーメトロイド "SOUND IN ACTION"』紹介記事でした。

 

聴き応え抜群のアレンジ楽曲に、ゲーム発売当時の状況が見て取れるブックレット。まさに垂涎もの。希少価値が高く、値段が高騰しているのも頷ける。

 

ただ…ゲーム内BGMを全て網羅してる訳ではなく、音質も微妙。CD保管も大変だし、価格も異常に高い。そこまでして入手する価値があるか?と問われると微妙な線に感じる。完全にコレクター向けのアイテムと言えるだろう。

 

しかし…内容が気になるファンが多いのも事実。自分はCD所持してるので良いのだが…どうにかならないものか。

 

Nintendo Music配信に期待!

 

最近、任天堂が音楽配信サービス「Nintendo Music」を開始したことは記憶に新しい。サントラCDが価格急騰してる『スーパードンキーコング』等のBGMも多数配信してくれている。

 

そう。願いは1つ。

 

『スパメト "SOUND IN ACTION"』収録楽曲を Nintendo Musicでデジタル配信して欲しい…!

 

『スーパーメトロイド』BGM配信時、ボーナストラック枠で「アレンジバージョン」5曲を収録するだけでも助かる命があると思うんですよね。

 

サントラCD気になる勢を何とか救済いただきたいお願いします…任天堂様…!

 

What's the Next?

???

 

 

*1:スーパーメトロイド"サウンド・イン・アクション" | NDLサーチ | 国立国会図書館

*2:ちなみに自分が購入した時の価格は9,000円弱とか。入手時期は7年前くらいだったと思う。当時も「高いなぁ」と思っていたが、今はもっと大変なことになってるから恐ろしい。

*3:ちなみに2017年発売の特別版ソフト付属CD『サムスアーカイブス』での曲名は、それぞれ「ブリンスタ上部」「下部」となっている。