イラスト制作・動画編集を効率化できる「左手デバイス」
片手で操作可能な機器にショートカットキーを割り振ることで、作業効率をグッと高められる。当ブログでも色々紹介してる。
今回の記事では、HUION社製の多機能デバイス「Keydial mini」を紹介。
左手デバイス用途に特化したハイエンド製品。カスタマイズ性が高く、柔軟な設定が可能。様々なユースケースに対応できる。
実際に触ってみたところ…お値段以上の良質な製品に感じた。操作性が良く、イラスト・動画制作のお供にピッタリ。
レビュー・設定手順、実際に使って気付いた注意事項等も含めて解説していきたい。
【※今回の記事はメーカー様より製品をご提供いただき執筆しています】
「HUION Keydial mini」製品レビュー
まず「Keydial mini」製品レビューから入ろう。
HUION社が製造・販売するテンキー型左手デバイスである。色はダークグレーのみ。
HUION社は、デジタルイラスト制作支援に特化した中国の電子機器メーカー。
主力製品はペンタブや液タブ等。「Keydial mini」も、絵描きのニーズを的確に満たした製品となっている。
サイズは一般的な電卓/テンキーと同程度。重量は約115g。軽くて持ち運びやすい。
外装はプラスチック製。全体的に丸みを帯びた、高級感あるシックな外観。
厚みは約1cm。薄型ながらも頑丈に作られてる印象。卓上に置いて使用する。
裏面。要所に滑り止めのゴム足が付いている。接地性は良く、割としっかり固定される。
「Keydial mini」は、無線/有線 両方の接続方式に対応。Blutooth無線接続で、ワイヤレスでストレス無く操作できる。USBケーブルでの有線接続も可能だ。
対応OSも幅広い。主要なPC/タブレット端末で動作する。公式情報は以下の通り。
- Windows 7 以降
- macOS 10.12 以降
- iOS/iPadOS 13.0 以降
キー配列は一般的なテンキーとほぼ同じ。軽く静かにタイピングできる、静音設計のキーが18個。耐久性も高い。
キー設定は、各OS対応の専用ドライバで行う。「Ctrl + Z」のような修飾キー同時押しにも対応。
PCで使う場合、利用アプリ毎に個別のキー設定を保存できる等、便利な設計となっている。この辺の詳細は後述する。
ダイヤル式のホイール。大きさは500円玉くらい。指でつまんで左右に回転できる。しっかり厚みがあって操作性が良い。
拡大/縮小・画面スクロール等、細かな調整操作を直感的かつスムーズに行える。他のテンキー型左手デバイスには無い特長。
PCの場合、デフォルトでは「拡大/縮小」「上下スクロール」「音量調節」が設定済み。中央のボタンを押すと対応操作の変更が可能。
電源ボタンは右側面にある。軽く押すとON。長押しでOFF。
バッテリーは充電式。容量1,200mAh。最大70時間の連続使用に耐える。これは数ある左手デバイスの中でもパフォーマンスが良い!
スリープモードも搭載。一定時間 操作していないと、自動的にスリープ状態に入る。電力消費を抑えるエコ仕様。
電池残量が少なくなると、インジケーターランプが赤色に点滅する。
デバイス上部にUSBポート (Type-C) があり、ここにType-Cケーブルを繋ぐと充電できる。ランプが緑色に点灯すると充電完了だ。
付属品はこんな感じ。充電用ケーブル (USB-C to USB-A) と取扱説明書、アイコンシール×2が同梱。
取扱説明書は、Apple製品を思わせるシンプルな小冊子。テキストによる説明は少なく、図解で分かりやすい。
詳細な説明が見たい人はWeb版 (PDF)を読むと良いだろう。
アイコンシールには、バケツや投げ縄ツール等のアイコンが描かれている。
これを各キーに貼り付ければ、対応操作がグッと分かりやすくなる。絵描きに嬉しい付属品。
メーカー希望価格は10,000円弱。
結構良いお値段だが、手触りの良さ・操作の快適さを鑑みると妥当な価格だと感じた。
ダイヤルの操作性が良く、バッテリーも長持ち。専用ソフトで直観的なキー設定ができるのもグッド。長期的視点で見るとかなり良いと思った。
HUION公式サイトや、Amazon等のネット通販サイトで購入可能。時折セールで安く販売されていることもある。気になる人は要チェック。
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デバイス接続・設定手順
ここからは「Keydial mini」接続・設定手順について解説する。
PC (Windows/Mac) の場合
①Windows/Mac用ドライバのインストール
HUION公式サイトで、Windows/Mac用ドライバをDL・インストールする。
「Keydial mini」の型番はK20。それでサイト内検索すればヒットする。
ドライバは最新版を使えば問題ない。自分が使用するOSを選択する。
自分のPCはWindows 11なので、Windows版をDLしている。Macでも大体同じ手順。
DLファイルを開くと、ウィザードが起動。規約に同意して画面を進めると、ドライバ&専用アプリがインストールされる。プライバシーポリシーの設定は任意で。
アプリ起動画面はこんな感じ。デバイス未接続の状態なので、何も表示されない。
②デバイス接続
アプリの準備ができたら、PCに「Keydial mini」を接続する。
【無線接続 (Bluetooth) の場合】
まず、PC側でBluetooth設定をONにする。
Windowsの場合は「設定」>「Bluetoothとデバイス」
でON/OFF変更が可能。
ここで「Keydial mini」本体の電源を入れる。
右側面の電源ボタンを押すと、ランプが青色に点滅。Bluetooth接続の待機状態になる。
「デバイスの追加」>「Bluetooth」
と移動。「Keydial mini-252」というデバイス名で認識されるのでクリック。
これでペアリング・Bluetooth接続完了。アプリを開くとデバイス認識されている。
【有線接続の場合】
有線接続は簡単。↑の写真のようにUSB Type-Cケーブルで接続すればOK。
③アプリで設定をカスタマイズ
デバイス接続後、アプリを起動してキー設定の確認・カスタマイズを行う。
PC版アプリ基本画面。ダッシュボード的に下記項目が用意されている。
- LED設定
- LEDライトの光量を調整できる
- ダイヤル
- 基本はデフォルトの「機能のカスタマイズ」で問題無い
- ダイヤル速度
- ダイヤルの滑り速度を設定できる
- スリープ
- スリープモードに入る時間の調整
↑デフォルト設定はこんな感じ。ユーザーの任意で変更可能。
ショートカットキーを変更したい場合は、設定したいボタンをクリック。
ラジオボタン「キーボード」を選択した状態で、入力ボックスに任意のキーを入力すると、設定を変更できる。「Ctrl + Z」等の修飾キー同時押しにも対応。
他にも柔軟なカスタマイズが可能。詳細は WEB版説明書 (PDF) を参照して欲しい。
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iPad/iPhone の場合
①iOSアプリのインストール
まず、AppStoreで専用アプリ「Huion Keydial」をインストールする。
アプリは無料。iOS 13.0 以降のiPad/iPhoneに対応している。
②デバイス接続
アプリ導入後、ipad/iPhone設定画面を開いて「Keydial mini」をBluetooth接続する。
まず「設定」>「Bluetooth」
で、Bluetooth設定をONにする。
ここで「Keydial mini」本体の電源を入れる。
右側面の電源ボタンを押すと、ランプが青色に点滅。Bluetooth接続の待機状態になる。
「Keydial mini-252」というデバイス名で認識されるので選択。これで接続完了。
③アプリで設定をカスタマイズ
デバイス接続後、アプリを起動してキー設定の確認・カスタマイズを行う。
アプリを開くと「デバイスの選択」画面が表示される。接続済みの「Keydial_K20」を選択しよう。
iPad版アプリ基本画面。PC版と比べると非常にシンプルな構成。
ボタンをタップすると、現在のショートカットキー設定が簡易表示される。
ショートカットキーを変更したい場合は、設定したいボタンを選択して「変更ホットキー」を押す。
キー設置方法がいくつかあるので、好きな方法でキー入力しよう。右上の「終了」を押すと設定保存できる。
- プリセット
- 主要なイラスト制作アプリのキー設定が用意されている
- 対応操作が併記され分かりやすい
- カスタマイズ
- PC版と同様、好きなキーを入力するスタイル
- 「Command + Z」等の同時押しにも対応
- 赤色の×ボタンで、キー設定を消去可能
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注意事項
ファームウェア更新が必要な場合がある
初期に工場出荷された製品などは、ファームウェア更新が必要になる。
PC/iPadに接続しても、ホイール/キーが全然反応しない事があるらしい。大抵は「Keydial mini」側のファームウェアが古くて接続できないケースが多いそう。
このファームウェア更新だが…取扱説明書には手順が載ってない。HUION公式ヘルプページを参考に、自力で行う必要がある。
また…ファームウェア更新作業にはPCが必須。
USB Type-CケーブルでPCに繋ぎ、専用ツールを介して更新を行うのだ。iPadユーザーは注意しよう。購入後すぐ使えない可能性もある。PCユーザーは問題無いかと思う。
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ホイールを活用できないソフトがある
こちらも、主にiPadユーザーに対する注意喚起。
「Keydial mini」最大の特長とも言えるホイールだが…使用ソフトによっては活用できない場合がある。
例えば…iPad用ソフト「Procreate」は、画面の拡大/縮小・左右回転などの操作にショートカットキー設定が無い。
ホイールでキャンバス操作したくても、ソフト側の制約でキー設定できないのだ。ジェスチャコントロールで頑張るしかない。
折角スムーズに操作可能なホイールがあるのに、"宝の持ち腐れ" に終わってしまう事も。事前に自分が使うソフトのショートカットキー設定を調べておこう。
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最後に
以上、ハイエンド左手デバイス「HUION Keydial mini」紹介記事でした。
定価1万円と良いお値段だが…お値段以上の超良質な左手デバイスに感じた。作業効率を爆上げしてくれること、間違い無し。
ただ記事でも述べた通り、iPadユーザーが使う場合は色々と注意点が多い。自分のスタイルに合ってるか、よく検討することをオススメする。
今後、絵を描く時のサブデバイスとして使い続ける所存。気づいた事などあれば、適宜この記事に追記していこうと思う。乞うご期待!