この記事は、iPhoneバッテリー交換を自力でやって成功した時の作業記録である。今年の5月、GW期間に試してみた。
自分は普段 iPhone 6s を愛用しているのだが…長く使ってたせいかバッテリー劣化が著しく、フル充電しても数時間使っただけで電池残量ゼロ!という事態に陥っていた。
バッテリーの状態を確認すると…出荷状態と比較して最大容量が78%にまでダウンしていた。
一般に iPhoneは、バッテリーの状態が 90%を切ったら交換すべき!とされている。でも、修理依頼とか機種変更って面倒だよなぁ…
何とかならんか策を探ったところ、自力で簡単にバッテリー交換できることが判明。実際に試したところ…思いのほか上手くいったのだった。今では快適にiPhoneを使えている。
今回の記事では、自分が実際に試した主な作業手順・注意点など、備忘のため書き残しておきたい。意外と簡単・安価でバッテリー交換できるのでオススメである。
自力で修理する前に
修理は自己責任で!
iPhoneバッテリーを交換したい場合、まず候補に挙がるのが正規の修理サービス「Apple Care」だ。条件をクリアすれば無償で修理して貰うことも可能。
ただし、無償交換の条件はメチャクチャ厳しい。
Apple Careに加入している、本体に外傷・改造の形跡が無い、バッテリーの最大容量が80%以下…などなど。多分ほとんどの人が無料サポート対象外になると思う。
無償交換できない場合は当然、修理代を請求される。Appleサポート見積もりページで確認したところ、iPhone 6s の場合 7,500円かかるらしい。結構しますね。
非正規のスマホ修理店に委託するという手もある。機種・状態にもよるが、バッテリー交換の相場は 3,000~10,000円。即日修理可能な店も増えている。
ただ、店頭に直接出向いたり、スマホを郵送する必要があったりと、色々と手間がかかる。交通費・郵送料を加味すると、割高になってしまうケースも多い。
一方、自力修理の場合は2,000〜3,000円程度の出費で済み、作業も1時間で完了する。修理依頼と比較してもメリットが多い。
ただし、個人でバッテリー交換する場合は補償が無い。作業に失敗してiPhoneが故障しても、誰にも責任を追及できない。自前で代替品を調達する必要がある。
また、一度でも自分で修理すると改造扱いとなるため、以後Apple Care のサポート対象外となり、修理してもらえなくなる。あくまで自己責任の作業である点に注意して欲しい。
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バックアップを取っておく
バッテリー交換は完全自己責任。失敗する可能性もゼロではない。最悪の事態に備えてバックアップを取っておこう。下記サポートページを参照。
PCを持っている場合は、iTunesを使えば有線で確実にバックアップできる。
PCを持ってない場合は iCloudを使う方法があるが…デフォルトのストレージが5GBしか無い上に、接続時に安定したネット環境が必要になるなど、制約が多いので注意。
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用意するもの
自力でiPhone バッテリー交換をする場合、必要なモノは次の3点。
- バッテリー交換キット
- ドライヤー
- ペットボトル (500ml)
まず必要になるのが、市販のバッテリー交換キットだ。種類が色々あるが…電気用品安全法の審査をクリアした「PSEマーク」付き製品が望ましい。
自分は DIGIFORCE社製「バッテリー交換キット」を購入した。
交換用バッテリーだけでなく、マグネットシート・星形ドライバー等…必要な工具がすべて付属している。コレ1つだけ買えば万全。
次に重要なのがドライヤー。iPhoneのディスプレイを温め、分解する時に必要になる。温風が出る普通のドライヤーを使えば問題無い。
もう1つ必要なのが、水が入った 500mlペットボトルである。詳細は後述する。手ごろな大きさで、ある程度の重量がある筒状の物体であれば、ペットボトルでなくても構わない。水筒とか。
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作業手順・注意点
説明書・動画を見れば確実!
作業手順は、交換キット付属の説明書を見れば一発で分かる。
カラー写真付きで分かりやすく解説されていて、日本語表現も自然。初心者でも特に困る場面はないだろう。
さらに、DIGIFORCE公式Yotubeチャンネルに、バッテリー交換の解説動画も用意されている。説明書と照らし合わせながら作業すれば、間違った手順を踏まないで済む。
※動画の公開日は2019年なので、現行の説明書と若干差異がある。なるべく説明書の記載事項を優先しよう。
詳細な手順は説明書・動画を見れば大体分かると思う。なので、この記事では難しいなぁと思った箇所・注意点をまとめた作業メモを共有したい。
作業メモ
バッテリーを残量をゼロにする
事前準備。安全に作業を進めるため、iPhoneのバッテリーを使い切ろう。電池残量がある状態で作業すると、漏電・発火等のリスクがある。
「設定」>「画面表示と明るさ」で画面の明るさを最大にして、ひたすら動画を見るなどして、頑張ってバッテリー残量をゼロにしよう。
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iPhoneディスプレイを取り外す
作業開始。まず、iPhone底部の lighteningコネクタ (充電ケーブル繋ぐとこ) の両サイドにあるネジ2本を外す。星形ドライバーを使う。取り外したネジは、付属のマグネットシートに置いておけば紛失しない。
その後、ディスプレイ・本体との接合部に、満遍なくドライヤーをかける。1~2分ほど温めれば粘着力が弱くなり、取り外しやすくなる。
十分に温めたら、ディスプレイ下部に吸盤を押し付け、iPhone側面を手で押さえながら、慎重に引き上げる。2mmくらいの隙間が出来たら、すかさずピック (三角形のプラ板) を差し込む。
後はピックをスライドして浮き上がらせれば、iPhoneディスプレイを取り外せる。2つ折りのガラケーみたいにガバッと外れる。
説明書にも書かれているが、まだ配線などが繋がっている状態なので注意。ディスプレイを90度以上開くと破損の原因になる。上の写真は立てかけた状態になるが…このまま作業するのは危険。
ここで登場するのがペットボトル (500ml) だ。
90度開いたディスプレイ部分をペットボトルに立てかけ、輪ゴムで固定しよう。これで安全に作業できる。この辺は説明書に載ってるので写真は割愛。
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本体からバッテリーを取り外す
ディスプレイを外して、iPhone内部が見える状態になった。バッテリー交換の前に、説明書に従い、邪魔なモノを取り除く必要がある。
まず、コネクタ (バッテリーの接続部分) を外す。ドライバーで固定ネジを外して保護プレートを除去。中にあるコネクタを、付属のヘラを使って取り外す。
続いて、バッテリー下部にあるバイブレーターを取り外す。書道の文鎮みたいなヤツ。ドライバーで固定ネジ2本を外し、絶縁ピンセットで除去。これでバッテリー交換が可能な状態になる。
そして…次が個人的に一番苦戦した難所。バッテリーを固定している両面テープを、横から引っ張り出して剥がす作業だ。
バッテリー裏面には、2枚の両面テープが貼られていて、それで本体に接着・固定されている。上の画像でチェックを付けた箇所に、テープの末端がある。ここからテープを引き剥がす。
この両面テープ。垂直方向の力には強いが…横から引っ張る力には弱いらしい。
下の写真のように、スティック状の物体で両面テープを巻き取り、クルクル回しながら引っ張れば綺麗に剥がせる。テープが千切れないよう細心の注意を払い、ゆっくり巻き取ればOK。
※説明書には、テープが途中で千切れてしまった場合のリカバリー策も載っている。ただ、結構複雑な手順なので、テープを引っ張り出す方法で対処した方がラク。
両面テープ2枚を引っ張り出せば、バッテリーが取り外せるぞ。
取り外しが完了したら、新品の交換用バッテリーを用意。裏面に両面テープ×2 を貼り、コネクタが繋げられるよう位置を調整・中央にうまくセットする。
なお、両面テープは余った部分を折り曲げて、表面に少しはみ出るように調整しておく。こうすると、後でバッテリー交換する時にラクになる。これが結構難しい(1敗)
だが安心されたし。自分が使った交換キットには、 両面テープが2セット (合計4枚) 付いていた。失敗しても予備があるので何とかなる。
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バッテリー交換・iPhoneを組み立て直す
あとは、手順の逆を辿って元通りに戻すだけ。バイブレーター・コネクタを付け直し、ディスプレイを閉じる。取り外して保管してたネジを、違う箇所に取り付けないようにだけ注意。誤作動・ショートの原因になる。
組み立て終わったら iPhoneの電源を入れて動作確認。「設定」>「バッテリー」>「バッテリーの状態」を見てみる
結果…交換したバッテリーがうまく認識され、最大容量が100%にまで復活していた。これにて作業完了! 割と簡単だった。
取り外した使い古しのバッテリーは、普通ゴミでは捨てられない。専用リサイクルボックスがある家電量販店・ホームセンター等で回収して貰おう。
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最後に
以上、自力で iPhone バッテリー交換をした時の回顧録でした。完全自己責任の作業だが、思った以上に簡単で安上がり。バッテリー交換の選択肢の1つとしてオススメしたい。
自分は iPhone 6s の適度な大きさ、手の平に丁度置けるフィット感が好みなので、今後も愛用していくつもりだったが…バッテリー交換・修理をどうするか?という悩みがあった。
だが、自力修理ができると分かればこっちのモノ。バッテリーが死んでも、自分で直せるなら無問題。今後も愛用していく所存である。なるべく長い期間使い続けたいですね。