PC+タブレット端末で絵を描く場合、スタイラスペンの選定は重要だ。
描き心地の良いペンを選択したいところだが…スタイラスペンは種類が豊富でどれを選べばよいのか…判断が難しい。
今回の記事では「Wacomグリップペン (KP-501E-01X)」をご紹介。
PC絵描きの基本装備ともいえるスタイラスペンで、新旧両モデルの液タブ・板タブで使用可能。標準的性能で使いやすい。それゆえ『標準ペン』と呼ばれることも。
自分も実際に購入して使ってみたが…汎用性が高く安定感のある良製品だと感じた。詳細な製品レビューも交えつつご紹介したい。
「Wacomグリップペン」レビュー
まず「Wacomグリップペン」の製品レビューから入ろう。
市場最大手のワコムが製造・販売する、標準的性能の基本型スタイラスペンだ。カラーは黒色のみ。
電磁誘導方式のスタイラスペン。ペン軸は付け替え式で、ワコム公式の替え芯に交換可能。
対応機種が幅広く、多数の新旧ワコム製タブレット (板タブ・液タブ) に対応。この汎用性の高さは本製品最大のメリットと言えるだろう。
ワコム公式の商品説明によると、対応機種は以下の通り。当然だが ipad等では使えないので注意。
- 板タブ
- Wacom Intuos Pro (PTH-660,860)
- Intuos Pro (PTH-451,651,851)
- Intuos4 (PTK-440,640,840)
- Intuos5 (PTK-450,650/PTH-450,650/PTH-650,850)
- 液タブ
- Wacom MobileStudio Pro 2nd (DTHW1321,1621)
- Wacom MobileStudio Pro 1st (DTH-W1320,1620)
- Wacom Cintiq Pro (DTH-1320,1620,2420,3220/DTK-2420)
- Wacom Cintiq (DTK1660,2260)
- Cintiq 13HD (DTK-1301,1300)
- Cintiq 13HD touch (DTH-1300)
- Cintiq 21UX (DTK-2100)
- Cintiq 22HD (DTK-2200)
- Cintiq 22HD touch (DTH-2200)
- Cintiq 24HD (DTK-2400)
- Cintiq 24HD touch (DTH-2400)
- Cintiq 27QHD (DTK-2700)
- Cintiq 27QHD touch (DTH-2700)
- Cintiq Companion 2 (DTH-W1310)
- Cintiq Companion (DTH-W1300)
- Cintiq Companion Hybrid (DTH-A1300)
ボールペンとの大きさ比較画像を用意した。こうして見ると、普通のペンと比べて軸径が若干太めになっていることが分かる。
「ペン軸が太いと握りづらいのでは?」と懸念を感じる人がいるかもしれないが、実際のところ全然気にならない。
4色 + シャーペンを切り替えられる「ドクターグリップ」という多機能太軸ボールペンがあるが…アレを握る感触に近い。太くても握っても違和感が無い設計となっている。
実際に握ってみるとこんな感じ。手で握る部分にはラバーグリップが付いていて、滑りにくくガッチリ固定できる。長時間使用しても疲れにくいエルゴノミクスデザイン。
描き心地は中の上程度。メッチャ良い!とまではいかないが、問題無くサクサク描ける。筆圧感知もしっかり効くので安心だ。
※ 旧モデル対応ペンなので、筆圧レベルは2048で固定。新型の液タブ・板タブを使っている人は要注意。
グリップ部分にある「2サイドスイッチ」を使えば、ペンを握った状態でのクリック操作 (ダブルクリック・右クリック) が可能。スポイトツールで色を取得できるので割と重宝する。ペンの後ろには「消しゴム」も付いている。
※ 2サイドスイッチは着脱可能。邪魔な場合はスイッチを取り外すことができる。ただし、穴が開いて内部の基盤が露出してしまう。交換用パーツは付属しないので、ゴムで穴を埋めるなど自力対処が必要になる。
付属品はこんな感じ。ペンスタンドと替え芯 (標準×3, ストローク×3) が同梱。1年間の保証書付き。必要最小限のものが全て揃っている。
付属のペンスタンドは使いやすい。
重心が下の方にあるので、かなり安定した状態で机の上に置ける。滅多に倒れることは無い。ペンをセットする開口部も大きめに作られていて、ペンの付け外しもストレス無く行える。
ペンスタンドの蓋を開けると、替え芯をセットする空間がある。最大10本までセット可能。小さくて紛失しやすいパーツなので、ここに保管しておくと安心だ。
価格設定も良心的。メーカー希望価格は6,600円。Amazon等のネット通販を利用すれば、4,000円前後で購入可能だ。
スペック・価格を考慮すると…これから板タブ・液タブで絵を描く人にオススメの製品と言える。汎用性が高く扱いやすいスタイラスペンだ。自分が使う機種に対応しているかだけ注意しよう。
スポンサーリンク
他のスタイラスペンとの比較
ワコムは様々なスタイラスペンを販売している。今回紹介した「Wacomグリップペン」は、数ある製品の中でも標準的・安定重視な性能と言える。
参考までに、他の類似製品との比較情報を記載しておきたい。
One by Wacom / Intuos用筆圧ペン
One by Wacom / Intuos用 筆圧ペン
まず、価格が安い「One by Wacom / Intuos用 筆圧ペン」との比較。
コイツは対応機種が全然違う。その名の通り「One by Wacom」や、旧モデルの「Intuos」シリーズでしか使えない。あとペンの後ろに消しゴムが付いてない。
言い換えると…ビギナー向けの低価格帯板タブ専用ペンとなっている。
Wacom Pen 4K
Wacom Pen 4K
続いて「Wacom Pen 4K」との比較。こちらも安価なスタイラスペン。
コイツも対応機種が違う。「Wacom Intuos (ベーシック/ワイヤレス)」にのみ対応。過去の「Intuos」シリーズや、現行モデルの「Wacom Intuos Pro」には非対応。
つまり…現行の「Wacom Intuos」スタンダードモデル専用ペンということになる。
スポンサーリンク
Wacom One Pen
Wacom One 液晶ペンタブレット専用ペン CP91300B2Z
「Wacom One Pen」とも比較しておこう。こちらも安価なスタイラスペン。
コイツも対応機種が違う。低価格帯の液タブ「Wacom One」シリーズ専用ペンとなっている。他の板タブ・液タブでは使えない。
クラシックペン KP-300E-01X
Wacom Intuos Cintiq クラシックペン KP-300E-01X
最後に、自分が愛用している「クラシックペン (KP-300E-01X)」とも比較しておく。
コイツは対応機種が「Wacomグリップペン」と丸被り。旧モデルの「Intuos」シリーズや「Cintiq」シリーズで使用可能。
軽くて持ちやすい細軸のスタイラスペンで、描き心地が抜群に良いのだが…2012年発売モデルで既に生産終了。現在は入手困難となっている。
中古価格も年々高騰していて…取引相場は8,000円~20,000円といったところ。高過ぎて買えねぇ!
このため旧モデルの「Intuos」「Cintiq」シリーズを今なお愛用している人は、今回紹介した「Wacomグリップペン」が使用候補として上がって来る。現行の「Wacom Pen Pro Slim」等は、旧製品に対応していないから仕方がない。
こうして比較して見ると…「Wacom グリップペン」は、新旧モデル両方に対応した汎用性の高いスタイラスペンだと分かる。幅広いユーザーが使える良製品と言えるだろう。
スポンサーリンク
最後に
以上、安価で使いやすい「Wacomグリップペン」紹介記事でした。
対応機種が幅広く、標準的性能で使いやすい。価格設定も良心的。PCデジタル絵描き勢に最適なスタイラスペンと言えるだろう。
前述の通り、自分は普段「クラシックペン」をメインで使っていて、それが故障した時の予備用に本製品を買ったのだが…想像以上に使いやすかったので、今後もチョイチョイ使っていこうかなぁと考えている。
使い続けている上で気づいたことなどあれば随時、当ブログ記事で共有したい。